椿山課長の七日間 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社 (2005年9月15日発売)
3.82
  • (517)
  • (701)
  • (750)
  • (60)
  • (6)
本棚登録 : 4671
感想 : 584
3

高卒で中堅百貨店に入社。デパートマン一筋で過酷なノルマに耐え、課長にまで登りつめ、家では父親を介護施設に預け、年下の美人妻とよくできた一人息子に囲まれる。ありふれているが、社畜として幸せなサラリーマン椿山課長は取引会社との接待中に急死してしまった。

全く予期しない天国行き。生きているときにやり残したことに後悔した彼は天国の役人から許可をもらい、別人の体で7日間だけ現世に舞い戻る。

ラノベっぽいハートフルSFコメディだが、数々の歴史小説、ミステリー小説を生み出した大作家である浅田次郎が手がければ、単純なお涙頂戴小説には終わらない。複雑な人間関係と伏線だらけのストーリー。

読み応えはあるのだが、人物同士の複雑な組み合わせに、主人公であるはずの椿山課長の存在すら置いてけぼりになる。登場人物が多すぎて、途中、作者ですら回収しきれていない気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 感動モノ
感想投稿日 : 2017年6月6日
読了日 : 2017年6月6日
本棚登録日 : 2017年6月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする