冷戦時代のイラン。反米テロリストがアメリカ大使館を占拠。6名の大使館員たちは運良く脱出し、イラン国内のカナダ大使宅に隠れるが、そこから身動きが取れなくなった。そんな彼らの国外救出作戦を映画化した作品。しかし、この作戦がぶっ飛んでいる。CIAとハリウッドが協力し、マスコミ発表までしてニセSF映画「アルゴ」をでっちあげ、その撮影スタッフとして6名をイランから脱出させるというものだ。信じられない現実離れした作戦。実話じゃなければ、コメディーにしかなり得ないだろう。
しかし、そんな非現実的な救出劇を「笑い」に頼ることもなく、徹底的にリアルに描き切った演出はお見事。ラスト、空港内での逃げる大使館員と追うイラク兵との冷戦追跡は手に汗握る。「志村、後ろ、後ろ」って言わせるドリフ芸に匹敵する。
お金もかからない、有名俳優も登場しない、一歩間違えると「貧相」と片付けられそうなアイデア一発勝負な作品が最近のアカデミー賞では評価されるようで、この作品もその流れに乗って、作品賞をとってしまった。とはいえ、地味は地味だ。映像も俳優のファッションも1980年を忠実に再現して、古臭い。知ってる俳優も主演兼監督のベン・アフレックだけ。ジョージ・クルーニーもプロデュースだけじゃなくて、出演すりゃいいのに。
読書状況:読み終わった
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ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2013年9月10日
- 読了日 : 2013年9月10日
- 本棚登録日 : 2013年9月10日
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