世界中で昆虫調査を実施し、多くの新種を発見する九州大学の昆虫博士によるスゴい昆虫たちの紹介。著者は昆虫界の「さかなクン」的な立場なんだろう。
紹介される多くは微小で知られざる昆虫ばかりで、かなりのオタク度。しかし、彼らは人間が地球上に現れるずっと前から存在し、その習性も人間社会の行動パターンの祖先ともいえる。狩猟や農業、戦争、テロ、セックス、奴隷制などなど。昆虫の生態を調べると人間社会の汚いところ、不完全なところを改めて知ることになるのがおもしろい。
ただし、こうした人間社会に当てはまる特徴を持った昆虫を集めたせいか、本書で紹介される昆虫は生殖器や性行為に特徴があったり、他の生物への寄生したりとエログロ度が強いものばかり。ゆえに、この本、子どもに読ませるには注意すべき。オトナ向けに徹する潔い昆虫本だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
雑学
- 感想投稿日 : 2016年1月10日
- 読了日 : 2016年1月10日
- 本棚登録日 : 2016年1月10日
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