魔女狩り (「知の再発見」)

  • 創元社 (1991年12月10日発売)
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近世の人口増加、経済変容、農村内部の階層分化により、農村の共同体は解体された。加えて、度重なる戦争やペストの流行により、人々は恐怖や不安に捉えられた。
その不満や不安をコントロールするために、時の権力者たちは「魔女」という生贄を作り出した。
魔女迫害は、国やエリートたちが農村の隅々にまで権力を浸透させるための手段の一つだった。

魔女狩りは、過去の時代を覆っていた、現代人から見れば理解しがたい狂気だと思っていた。
けれど規模や名前を変えて、何度でも繰り返されていることなのかもしれない。
人をコントロールするために不和を生み出す人ってどこにでもいるもの。

魔女狩りの犠牲者たちは、主にそれ以前は慈善の対象であった貧しい寡婦や老女、ユダヤ人や異教徒たちだった。
寛容から始まったキリスト教の変換期だったんだ。カトリック怖い。そりゃローマ法王もごめんなさいするわ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年11月4日
読了日 : 2012年8月5日
本棚登録日 : 2011年10月28日

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