ハムレット (1957年) (岩波文庫)

3.89
  • (2)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 17
感想 : 6
4

ハムレットは、情熱的でこころのままに生きたいだけなのに、周囲が変に勘ぐって彼を孤立させている。味方がいなくてかわいそう。ホレーシオだけだ。

ポローニアスが死んだシーンでは、愚かな老人が一人減って少しすっきりした。

気高い魂が俗物の間でじわじわ絞め殺される話。

オフェーリアは凶器を得てからの方が真実を見る目がとぎすまされているようだ。

悲しみのあまり正気を失っているオフェーリアこそ完全に見える。以前は従順で退屈なだけのお人形みたいなお姫様だった。その悲しみと狂気を乗り越えたなら、ハムレットのいる高みにまで、ハムレットの気高さと同じ心になれたかも知れないのに。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年12月5日
読了日 : 2010年12月6日
本棚登録日 : 2010年12月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする