魚は『食料』『研究対象』『鑑賞』等々様々な観点から我々の生活に接している。
観点の数だけ魚エッセイの切り口は多様化するわけだ。
そんな中、本書は『学ぶための教材』として、いかに表現するかを考え、アウトプットした行程を書いている。
本書全体に『いのちをどう考えてもらうか?』というテーマが見え隠れする。
水族館の来客へ向けてどうアプローチしたかということを書いているはずなのに、読者にまで訴えかけてくる。
それだけ強烈なテーマということなのだろう。
最初この本を目にしたとき、『ゾウの時間 ネズミの時間』の魚バージョンだと思っていた。
が、実際は『水族館を、いのちについて考えることができる場所にするにはどうしたらよいか』というテーマについて様々なエピソードが展開されていく。
水族館を改修するに当たり、新たな展示企画を考えたりする過程が書かれているのだ。
水族館運営の奮闘記を通じて描かれる、水族館の生き物の話はなかなか興味深い。
読み終えた時、『他の本のパロディかぁ?』と一瞬でも思ったことを悔やんでしまった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
飼育・水族館関係
- 感想投稿日 : 2008年3月6日
- 読了日 : 2008年3月6日
- 本棚登録日 : 2008年3月6日
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