◆出版100周年。◆ダブリンという街に住む人々の群像。まとわりつく古き良き故国。学校・職業・政党・宗派 …。何につけても存在する「育ち」の階層によってがんじがらめにされる人々。押しつぶされそうになり、自尊心と自意識は閉ざされた自己の内にたぎる。麻痺した者への侮蔑と麻痺していく自己への不安。◆各断片の主体と相似した人物が、他の断片にも登場・配置される。老若男女のかすかな声が重なり合い、荘厳な和声音楽のよう。やがて全ての主体はモブに吸収されていく。あとはただ、ダブリンがあるだけ。
◆LIKE: Eveline/A Little Cloud/Clay/A Painful Case/A Mother/The Dead
◆岩波文庫結城訳・旧新潮文庫安藤訳・新潮文庫柳瀬訳3冊読み比べ。
◆3冊ともに読み応えがあったが、初読におすすめできるのは岩波結城訳。読みにくくなく、解題・解説が親切。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2014年8月28日
- 読了日 : 2014年8月28日
- 本棚登録日 : 2014年6月25日
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