スイッチ・オンの生き方

著者 :
  • 致知出版社 (2011年9月16日発売)
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本棚登録 : 287
感想 : 22

著者は遺伝子暗号解読で実績を残した科学者です。「遺伝子が目覚めれば、人生が変わる」という副題がついており、科学的事実に基づいた本に、出版社側が思わせぶりなタイトルをつけたものかと思い、読んでみました。

実際は、前半の遺伝子の基礎知識部分こそ比較的科学的ですが、後半は根拠の無い記載が目立ちます。参考文献や実例も無しに、「ポジティブ思考や環境の変化で眠っている遺伝子がオンになる」ということを繰り返し述べられても、戸惑ってしまいます。変に科学的な知識を散りばめず、最初から最後迄スピリチュアルな文章、宗教的な文章であるほうが、かえって信頼できるように思いました。

また、読み易さを狙ったものなのでしょうが、連続した内容の文章も数行〜2ページといった単位に細切れで書かれています。個人的には読みづらい印象を受けました。実際の分量は、文字中心の雑誌の特集記事程度しかないと思います。

齋藤孝さんの『読書のチカラ』で紹介されていたので図書館で借りて読んでみましたが、購入して読む気にはなりませんでした。

後半に書いてある様な遺伝子のオン/オフが本当に起こり得るのか、科学的な別の本で確認したくなった、という意味では、知的刺激を受けた本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年3月27日
読了日 : 2012年3月27日
本棚登録日 : 2012年3月7日

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