ファインマン物理学〈3〉電磁気学

  • 岩波書店 (1986年1月8日発売)
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感想 : 17
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私の中で最強の電磁気学入門書がこれなのだが、ファインマン物理学には致命的な弱点がある。それはテスト前に読んでもあまり役に立たないということだ<br>
特にこのIII巻で顕著なのだが、基本的に電磁気学は理解して欲しいこととテスト問題に出しやすい部分というのがどうしても上手くマッチしない。帯電した導体球から距離r離れた場所の電場E(r)を求めよ、とかおそらく世界中で出されていると思うが、これはガウスの法則の式さえ知ってりゃそれこそただの計算問題なのである(Maxwell方程式の変形もしかり)。普通、テストではこの類の問題が出されるので、その計算テクニックを競う学問となりがちなのだ(偏見かなぁ?)<br>
最初にこの本を読んでいると「ファインマン先生はなんてまわりくどいんだ」と思うだろう。しかし読み終えた頃には電磁気学の基礎がきっちりと形作られた自分に気が付き、落雷とはどうして起こるのかを人に説明したくてたまらなくなるに違いない。たぶん。<br>
そんなわけで、大学生の場合は、講義+演習書で色々な場合の計算の仕方を学びつつ、ファインマンIII巻を副読本的に読むのが一番効率的かもしれない。

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感想投稿日 : 2004年10月3日
本棚登録日 : 2004年10月3日

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