正雪記 (新潮文庫 や 2-16)

著者 :
  • 新潮社 (1971年4月1日発売)
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本棚登録 : 94
感想 : 8
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由比正雪の乱(慶安の変)を題材にした娯楽活劇。駿河の紺屋の息子小太郎が大志を抱き江戸に出てくる。増長した自信を砕かれ旅に出た正雪は島原の乱で浪人たちの悲惨な状況を目の当たりにし一つの野望を抱き、隠された財宝の力で幕府に挑戦しようとする。前半、隠れた財宝とか妖婦小松とか隠れキリシタンの預言者かなえとか、どんどん期待は膨らむばかり。しかし、後半になると幕府の政策によって切り捨てられる浪人たちを何とか救おうとする正雪たちが中心でちょっと娯楽性は失速気味。それでもさすが山本周五郎。満足の行く一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 「たなぞう」時代
感想投稿日 : 2008年11月27日
読了日 : 2008年11月27日
本棚登録日 : 2008年11月27日

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