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レビュー by paeseLLCさん
春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり
このやさしく、うつくしい和歌は、意外にも禅の高僧、難解な『正法眼蔵』の道元のものです。
著者は、律令体制の崩壊から源平が覇を競った時代がかつてこの国に無かった自然破壊のはじまりであり、鎌倉幕府の国づくりを「開発と経済優先」と位置づけます。
道元に大きな影響を与えた慈円がこれを憂えて、「春夏秋冬の風光を和歌に詠んで自然と共生交感する素養をつちかい直す新たな『国おこし』」を提唱して詠んだ今様があります。これをひきながら、この和歌の精神を読み解いています。
川端康成が『美しい日本の私』と題したノーベル文学賞受賞スピーチの冒頭で朗吟した和歌。
そこには、「自然と相和し共生して四季折々の移りゆきに美と生き甲斐を見出す。その行為こそが日本の伝統である」という強い主張があったと言います。
この地球で生きる私たちの本当の豊かさとは何でしょうか。
子供たちに受け継ぎたい生き方とはどんなものでしょうか。
そんなことを考えさせられる好著です。
登録日 : 2009年04月08日 14:24:03


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