県庁おもてなし課

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年3月29日発売)
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感想 : 1762
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とても興味の持てる話だったし面白かった。

「村おこし」と言う題材も面白かったし
県庁の役人が民間の(と言うか一般の)常識が解らずついて行けず
そこからの常識を身につけるとこらかのスタートと言う所も面白かった。

ここまでは行政に関わった仕事をしている訳ではないし公務員でお役人でもない
人間の感想。
多分これが行政に関わった仕事をしていたり、それこそお役人であれば感想も違うのではないか?と思う。
見方によっては軽く行政批判とも取れる作品かな~と思います。

最初の部分はやたら「お役人だから」的な言い回しが多く
民間である私にしてみたら、全くそう言う意見になる。「行政はロクに仕事もしない」し
「一般的感覚が民間と違う」
この意見は行政を知らない人・・・と言うかその仕事を理解していない人の書き方です。
強いて言えば行政には頑張って欲しいと思っている話で有れば、そこら辺はもっと客観的にあらわした方が良かったんじゃないか?思いますが

正直言えば今回の『県庁おもてなし課』は面白いか?聞かれたら「面白かった」と答えますが
なんて言うか・・・子供のじゃれ合いぽいな。思いました。

話の半分からして「可愛い」という言葉が連呼。
好きな女の子に対して「可愛い」と思うから可愛いと主人公に云わせてるんだろうけど
男同士の友情でも『可愛い』と表現するのは・・・
読んでて言葉のボキャブラがないのか?と思うほど頻繁に出てくるんで

あと佐和の存在もな・・・
いきなり水をぶっかける。いきなり人をひっぱたく。
百歩譲って役人が嫌いだから追い返すつもりで水をかけるは理解できるとして
いきなり「ひっぱたく」は常識的に考えてこの女、常識ないんか?と思う。

県庁が父親にしたし打ちで恨みに思うのは解りますが
子供か?と云いたくなるほどヒステリックすぎて好感が持てない。
それでも有川作品なのでお決まりの恋愛話を持って行く。

シアターあたりから登場人物全員が皆、恋愛をする。と言うのは少々うざったく見える。
だから1つの本で2つ以上の話が出来ているので
どれも「恋愛成就」させる事を目的とした話となってきている。
折角、題材的には興味持てる面白いものを使っていても、折角の題材を消化できずに終わっている。
だったら最初から題材使わず「恋愛」だけをメインにした方が読みやすい。
あっちもこっちもとするから中途半端になってきている。

なので有川作品お得意の恋愛劇甘話も、オチを付けるのもムリムリっぽく見えました。
ハッキリ云って吉門と佐和の恋愛は無かった方が良かったんじゃない?と
思ったな~
無理にこの話で関係とかの説明を入れる為に題材の「村おこし」が中途半端だし
と言って、この話に上手く持って行ったのかと言えば
無理やりハッピーエンド感にした感じが強かったので

それで星2つにしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 恋愛小説
感想投稿日 : 2011年9月11日
読了日 : 2011年9月9日
本棚登録日 : 2011年9月11日

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