夢野の知恵蔵»
私を作った書物のアンソロジー
レビュー by 夢野 旅人さん
?い金魚は至極、勝手な奴です。
奴は「からつぽがどんどん大きくなつて僕は息ができない」
「このからだを うめるものを 見つけたいのに」
この氣持ちはわかるよ、大層理解できるよ。
でも、赤い金魚との生活に心を充たすあれこれはなかつたのか
本當に空つぽになちまつたのか
さうぢやないだらう 心の中に赤い金魚と自分の生活で充たしたなにかがあるのでは。
さうぢやないだらう。 「窮屈になつた」と正直に言へばいゝのだよ
男と女だつたら 新しい命も世界をもてるかもしれない
互ひに夢をみてゐる 大きな海を
それが 夜店の金魚の釣り池だとしても
夢に向かふ奴 夢に留まる奴 それぞれだけど
赤い金魚がどう考へるか 赤い金魚の怖い夢がどのやうな氣持ちで作られたのかを知つてゐるくせに
「このからだを うめるものを 見つけたいのに」
酷で勝手な言葉だ 赤い金魚は深い傷をおつただらうに
それでも、邪魔をしないで送つた。
女の意地なのか、これも
登録日 : 2007年05月05日 12:47:55


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