生き屏風 (角川ホラー文庫 た 2-1)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング (2008年10月25日発売)
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感想 : 61
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2015年17冊目は先月まとめ買いした初読みの作家、田辺青蛙。

第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞の表題作含む、三編の連作短編にして、三部作の始まり。

あらすじ:「生き屏風」
県境で一人暮らす妖鬼、皐月。彼女の所へ、造り酒屋の奥さんの霊の話相手になって欲しいという依頼が持ち込まれる。

「猫雪」
若くして隠遁生活 を送る次郎。皐月の先代の県境守りである猫先生と出会い、変化(へんげ)の術で雪となる体験をする。約1年後、次郎は再び猫先生の術で雪となることを望むのだった。

「狐妖の宴」
惚れ薬を作って欲しいと皐月の所へ依頼がある。しかし、皐月はその調合を知らない。思い当たるのは、里の外れに住む狐妖であった。

本書解説、東雅夫氏の「癒しのホラー」とは言い得て妙。一編目の冒頭の皐月の眠り方こそグロテスク(その割に筆致が軽く感じる)ではある。しかし、全体的には、鬼や妖(あやかし)と人とが共生する、日本昔話のような感覚。恒川光太郎とは少々ベクトルが異なる、和風ファンタジーかな?!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年3月31日
読了日 : 2015年3月31日
本棚登録日 : 2015年3月31日

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