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「明治」という国家[新装版] (NHKブックス No.1249)
- 司馬遼太郎
- NHK出版 / 2018年1月23日発売
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司馬史観の集大成として、明治国家を概観する。
◯三人の国家設計者
・改造:小栗豊後守忠順(上野介)
・解体:勝海舟
・文明という普遍性:福沢諭吉
・小栗上野介による横須賀ドックで、江戸幕府は土蔵付の売家に。
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禅の思想 (岩波文庫 青 323-7)
- 鈴木大拙
- 岩波書店 / 2021年3月15日発売
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禅の源流、真髄に触れる。
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百年と一日 (ちくま文庫 し-49-2)
- 柴崎友香
- 筑摩書房 / 2024年3月11日発売
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理想的本箱から。
時間の流れの不思議。
2024年4月21日
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魔の山 上 (岩波文庫 赤 433-6)
- トーマス・マン
- 岩波書店 / 1988年10月17日発売
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死との距離。
豊穣な描写。
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東大の先生! 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!
- 三浦俊彦
- かんき出版 / 2020年4月15日発売
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さらりと読める、アートの一側面。
◯アートは「常識をぶち壊す工夫」「違和感を内包するもの」「いまの時代ではまだ実用性が見えていない、それでも存在できるもの」
・現実から遠いか否か ※美しさは必須ではない
・思考の柔軟さ、視野の広さ、多面発現のきっかけ。
・アートはそれが目的、行き止まりであり、自分を見つめることになる。
◯視覚芸術、言語芸術、聴覚芸術
・触覚、嗅覚、味覚は解釈が入り込まず論理構造がはっきりしないため、アートにならない。
・現代アートは、心に響く理由をいかに「言語化して、説得できるか」「哲学が込められるか」
→批評家、投資家が「意味」を見出すか
→プロモーションスキルの一面も
・アートを育む「多様性への寛容の精神」
・アートを進化論で捉えると、生存の余裕の誇示、「子孫繁栄」という「これ以上ないくらい実用的」なところから始まった。
2024年4月15日
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ビジネスエリートが実践している 教養としての企業分析
- 田宮寛之
- 自由国民社 / 2023年4月7日発売
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企業分析の手前の下拵え。会社四季報の読み方はわかりやすい。
第1章 企業を知るための基礎知識
◯出資比率
・50%:親会社/子会社
・15〜50%:持ち分法適用会社(グループ会社、関連会社)
◯DtoC(Direct to Customer)
◯リクルートのよる企業分類
・5000人以上:巨大企業
・1000〜4999人:大企業
・300〜999人:中堅企業
・300人未満:小規模企業
◯外資系企業:明確な基準なし
◯東証の新上場区分
・プライム:国際的に展開する大企業1838社。上場基準株主数800人以上、時価総額100億円以上
・スタンダード:国内中心に事業展開する企業1449社。株主数400人以上、時価総額10億円以上
・グロース:成長性の高い新興企業509社。株主数150人以上、時価総額5億円以上
(2022年12月16日時点)
・295社がプライム上場基準を満たしていないが、4年の経過措置あり
第2章 有望企業の探し方<新聞・TV・証券アナリスト>
◯日経新聞:1面見出し、経済面、私の課長時代、大機小機
◯日経平均株価:増減、総額の記録。ニュースとの照合・推測
第3章 有望企業の探し方<会社四季報・就職四季報>
◯会社四季報9カ所見ればその企業がわかる
・業績:①売上高、②営業利益(本業によって儲けた利益)
→記載の期間でトレンドを見る
・経営力:③年(平均年収)、④左隣括弧書(平均年齢)
→同業他社と比較する
・将来性:⑤海外(海外売上比率)
→大きいほうが将来性がある
・会社の実力者:⑥役員、⑦株主
→オーナー企業か
・安定性:⑧自己資本比率
→同業他社と比較する
・⑨ キャッシュフロー
2024年4月15日
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生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる
- 下西風澄
- 文藝春秋 / 2022年12月14日発売
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心の全面化と、それによる消失の時代。通史から見る心の正体。
◯人間や心は、与えられた自明の存在ではないし、必然的で本質的な存在でもない。また、唯一で決定的でもないし、変容不可能でもないし、理想へと収束もしない。あらゆる歴史があり得たように、あらゆる人間とあらゆる心があり得た。本書はそういう視点に立つ。
◯ひとつの「発明」であると考えた上で、その創造と更新の歴史を辿ってみる。
第1章 心の発明
ホメロスからソクラテスへ、すなわち「風のような心」から「制御する心」への移行。
自律した統一体としての心への変容。
◯ソクラテスによるホメロスの否定の本質とは、世界を視ることによって生きるのではなく、世界を視た上でさらにそれを観るというメタ意識の創造であった。
◯世界について考えるのではなく、世界について考えたことについて考える。
第2章 意識の再発明と近代
◯デカルトの行った意識の再発明。
①世界の存在を根拠づける基盤
②精神と身体を区別して身体を機械とみなす
③魂の物質への変更、意識という新たな認識装置を概念化
◯パスカルの「弱い心」
・「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」
・私は宇宙に呑みこまれる存在でありながら、同時に宇宙を呑みこむ存在なのだ。人間が考える心を失うのであれば、人間はまたたく間に宇宙に呑みこまれ、無限の深淵に消えてしまうという恐怖の表れでもある。
・神と接続しなくてもかろうじて幸福でいられるのは、神とは無関係に自律して心を充実させることができるからではなく、単に問題から目を逸し、気を紛らわせているから
◯気晴らし=慰戯(divertissement)→多様性、娯楽
◯神が地上から去るとき、「労働する心」と「消費する心」の二人の落とし子を残して去った。
◯カントの意識論は、意識に可能な思考と不可能な思考を規定する、鋭くて冷静な、しかし機械的で形式的なモデルであった。
・世界に始まりや終わりが存在するかというような問いは、人間に備わった思考の形式に適合しないアンチノミー(二律背反)
◯カントにおける心は、いわば世界の表面的なデータを受容する形式的なアプリケーションである。心ははじめから(ア・プリオリに)すべての人間にインストールされているデフォルト機能。
・感性:対象に触発されて認識の素材として表象を得る受動的な能力
・悟性(知性):感性によって受け取った表象を組み合わせて概念を形成する積極的な能力
・構想力:両者を媒介する能力。多様なデータ(感性の受け取る表象)と各オブジェクト(悟性の与える概念)を繋ぐインターフェースのような役割
◯カントは、人間の心は「全能でありながら無」(完全なシステム/空虚な心)であることを要請した。このことは、一方でではこれまでの心の問題を見事に解決した方法でありながら、他方では心の問題を抹消してしまったとも言える。
第3章 綻びゆく心
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噂の娘 (講談社文庫)
- 金井美恵子
- 講談社 / 2004年12月14日発売
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たっぷりとした文章。
文章に迷い込む。読みにくさの極致に見える文体は、再び読むとなぜか生活の息遣いまでとらえ、途端に立ち現れる情景。不思議な読書体験。
2024年3月31日
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グランゼコールの教科書 フランスのエリートが習得する最高峰の知性
- ジャン=フランソワ・ブラウンスタン
- プレジデント社 / 2022年6月28日発売
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人類の叡智の大系。
フランスを起点にした世界の見方としてもおもしろい。
2024年4月20日
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名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち: 「誰もが階段を上れる社会」の希望と葛藤
- 海老原嗣生
- 白桃書房 / 2018年10月31日発売
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日本の人事の歴史を概観。
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禅と日本文化 (岩波新書 赤版 75)
- 鈴木大拙
- 岩波書店 / 1964年3月21日発売
- Amazon.co.jp / 本
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禅の周縁から本質を垣間見る。
日本文化への浸透。
2024年4月20日
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1社15分で本質をつかむ プロの企業分析
- 栫井駿介
- クロスメディア・パブリッシング / 2023年2月27日発売
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有価証券報告書を軸に3C分析から企業の「過去」を把握、SWOT分析で「今」を考え、ポジティブ・ネガティブストーリーを想定し、その間にある「未来」を発見する。
有価証券報告書、財務諸表の実際の分析をケーススタディを交えて紹介。
<3C分析>
◯自社
・どんな事業を行なっているのか?
・業績はよいか?
・財務は健全か?
・経営計画は?
◯顧客
・顧客は誰か?
・顧客はなぜその商品を買うか?
・市場は拡大しているか?
・その市場で起きている変化は?
◯競合
・ライバルは誰か?
・ライバルより優秀か?
・ライバルとの違いは何か?
<SWOT分析>
強み・弱み・機会・脅威について、思いつく限りワードを挙げてみる。
<ストーリー>
ポジティブ・ネガティブについて、現在の状況を引き延ばした先にある未来を考える。
【有価証券報告書】
◯企業の概況
・業績が伸びているかそうでないか、扱っている事業、規模
・従業員の増加→リスクを取って成長期待
・売上高、従業員数の急増→買収の可能性
※5年間の業績推移が悪くなっていて何も手を打っていなければ、そこで分析を打ち切ることも
◯事業の状況
・企業の色が出るところ→出ていなければ何も考えていない
◯提出企業の状況
・株主構成、役員構成で企業の成り立ち、今誰がパワーを持っているかわかる→株主上位が信託銀行で分散ば歴史ある大企業、役員は生え抜きか外部登用か
(以下、詳細分析)
◯主要な経営指標等の推移
・売上収益、税引前損益:成長性
・親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率):安全性
製造業30%以上、小売業10%以上で安全地帯
・親会社所有者帰属当期利益率(ROE自己資本利益率):収益性
8%を超えると日本企業では優秀
成長が落ち着いたときのROEが重要
・キャッシュフロー:安定性、成長への意思※後述
◯事業内容
・顧客別、商品別、地域別などに分けが一般的→顧客の手がかり
◯経営方針
・戦略を全体、個別、財務資本戦略で見る
◯事業等のリスク
・この中で本当に大きな影響を与えそうなものは何か?
◯セグメント情報
・連結会計、地域別情報で稼ぎ頭を知る
◯「業界地図」で競合を知る
◯その他
銘柄スカウター(マネックス証券):長期業績のグラフ化
・株探:即時性
・決算説明会動画、転職サイト:リアルな声→ストーリーのポジネガ確認
【財務諸表】
◯損益計算書
・売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益÷売上高:売上高から原価を除いた、商品・サービスを顧客に提供した際に直接得られる利益
・売上高営業利益率:販管費も除いた利益
→メーカーとサービス業の違い。利益の構造
◯貸借対照表
①資産
・質の高い資産:現金、有価証券、土地、敷金・保証金
・質の低い資産:のれん、無形資産、建物・構築物、棚卸資産
例)のれんが純資産よりも大きいと要警戒
②負債・純資産
・必要な資金を借金によって調達している企業は財務リスク大、自己資金によって賄われている企業は小。ただし相対的。
・「有利子負債−現金」が小さいか否か
・純資産のうち利益剰余金が大きいか否か
◯キャッシュフロー計算書
①営業CF、②投資CF、③フリーCF(①+②)
成長期:①+、②-、③-
安定期:①+、②-、③+
成熟期:①+(-)、②+、③+
高リスク:①-、②-、③-
◯ROE(%)=当期純利益/株主資本×100
・目先のROEではなく持続性があるか
2024年3月24日
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カラー版 名画を見る眼Ⅱ──印象派からピカソまで (岩波新書 新赤版 1977)
- 高階秀爾
- 岩波書店 / 2023年6月21日発売
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外界を見る人間の眼は、習慣や約束に規制されているが、画家はこれにとらわれない新しい感覚を拓く。
まず絵画を見て読み進め、改めて観ると新しい感想を覚える新鮮な鑑賞体験。実物を見たい。
絵のリアルとは。これまでの系譜。
現実を追求した印象派が色彩分離により平面化していき、キュビズム、フォーヴィズムを経て抽象画に繋がる。色彩と造形。
2024年4月6日
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令和元年の人生ゲーム
- 麻布競馬場
- 文藝春秋 / 2024年2月21日発売
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元ネタがわかる露骨な描写、揶揄するために単純化された人物設定、モブの記号的な出番。
SNSで氾濫する今日的なキラキラした「正解」と、それを斜めに受け取るどちらも風刺する暗さ。
2024年3月20日
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自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)
- 谷川俊太郎
- 岩波書店 / 2013年1月16日発売
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時代を超越する詩。音と言葉。
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キャッチャー・イン・ザ・ライ
- J.D.サリンジャー
- 白水社 / 2003年4月11日発売
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キャッチャーの下りのみ知っていた。どのような流れでつながるのか読み進めたが、つながらず、浮いた文章に感じる。
説得力のない、なりたいもの。
ただ、その状況自体が、行き場のない鬱屈した思いを読み手に伝えるための文章。であれば納得がいく。
終始ふざけて嘘にまみれ、斜に構えて、それを自覚しながらやめられない。
失敗したユーモアのいたたまれなさ。
村上春樹の文体とのまざり合い。
2024年3月31日
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ニムロッド (講談社文庫)
- 上田岳弘
- 講談社 / 2021年2月16日発売
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人類の営みに乗れなくなる、しかし逃れきれない。
自分の人生を生きる、または置き換え可能。
失敗できる。
2024年3月16日
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投資の教科書: 資産形成に関わる皆さまへ
- 園田裕樹
- 中央経済社 / 2023年4月13日発売
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入門書以前。抽象的な投資の必要性のみ。
2024年3月3日
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カラー版 名画を見る眼Ⅰ 油彩画誕生からマネまで (岩波新書 新赤版 1976)
- 高階秀爾
- 岩波書店 / 2023年5月20日発売
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描かれた背後にある時代と社会、主題とモティーフ、技法、画家の生涯を知ることで、絵画の味わいが深まることを知る。
歴史を学ぶことで、絵画の味わいはまだまだ広がる予感の楽しみ。
革新的な画家マネと保守的な人間マネの同居の面白み。
2024年3月17日
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仮面の告白 (新潮文庫)
- 三島由紀夫
- 新潮社 / 2020年10月28日発売
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いたたまれない。
性的嗜好を真面目に、克明に、正確を期して。
表現するほど内省とは離れ自己陶酔に寄る。
園子への態度は素面と仮面を自身も見失う。
素面と異なる行動を自覚しながら取るときの物悲しさ。
2024年3月5日
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論語 (ちくま文庫 さ 28-10)
- 齋藤孝
- 筑摩書房 / 2016年10月6日発売
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少しずつ読み進める。時機が来て腑落ちする言葉に出会う。
2024年4月14日
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実験の民主主義-トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ (中公新書 2773)
- 宇野重規
- 中央公論新社 / 2023年10月23日発売
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民主主義の立法権だけではなく執行権(行政権)への着目、新たなアソシエーションとしてのファンダムの可能性への対話。
行政権のアップデートは萌芽を感じる。
ファンダムは試みとして興味深いが、ポピュリズム以外の着地が浮かばない。
第1章 「平等化」の趨勢
・平等化をめぐる想像力。かつてと比べて「違い」は相対化されたが、むしろその小さな違いに敏感になる。平等化の趨勢は不可逆。
・道具の民主化と民主主義化は別物
・個人主義の不安
第2章 ポストマンと結社
・政治的集権と行政的集権を区別する
・「自由を援け合う術」としての結社(アソシエーション)。デモクラシーを相対化する。
・宗教(所属する教会など)による信用度の担保。ファンダムによるアソシエーション。インターネット社会によるアソシエーションの暴力化(ハイブリッド戦争における「総動員」の常識化。
第3章 行政府を民主化する
・ペスト流行から「人を生かす権力(生権力)」として、国民の生の把握と管理のための官僚機構が精緻化。
・「合理的な法と統治システムさえあれば、社会はよくなる」という考えから、立法権に関心が集中。行政権は従属的とみなされる。実態の転倒。
・官僚の機械的イメージ。
・日本の武士から由来する「学問だけではダメだ」という価値観。揶揄しても潜在的な「お上」への信頼。
・人文的教養を重視する欧米の官僚制。プロの視点よりも幅広い教養。
・「アマチュアであることのプロ」。編集者と共通する素養。国民と政治家をつなぐファシリテーター。
・官僚の人間化。
第4章 「市民」とは誰か
・「市民」という言葉には、ルソー的な古代の都市国家に依拠した「政治に主体的に参加する人(シトワイヤン)」という意味と、「単にそこに暮らす人」、あるいは「経済活動に専念している人たち(ブルジョワ)」という三つ概念が混在じている。
・Z世代の80%以上が推し活をしている。消費から創作。
第5章 分断を超えるプラグマティズム
・リテラシーは受動、コンピテンシー(何かを「する」能力)は能動
・プラグマティズムは、人が何かを「信じようとする権利」を最大限に擁護することを、思想の基盤に置く。人間は考えがあるから行動するのではなく、行動する必要があるから考えを持つ、その行動から得られた結果をもって、さしあたり、その理念が正しかったかどうかを検証することができる。
・Do it with Others (DIWO)。「参加型」「行動」の重要性。終わりをデザインするのではなく始まりをデザインする。
第6章 「手」の民主主義
・ファンダムの可能性は、選挙ではなく、その外にある共創活動
・エネルギーの地産地消など所有と利用が一体となる、距離の近さと即応性
第7章 感情と時間の政治へ
・自立というのは依存先を増やすこと。「自由」と「依存」は対立的な関係にあるのではなく、現実的にはむしろ補完的な関係
・一方的なものではなく相互依存というレイヤー
・分担ではなく「持ち寄る」という発想
2024年3月23日
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怒りの葡萄(下) (新潮文庫)
- ジョン・スタインベック
- 新潮社 / 2015年9月27日発売
- Amazon.co.jp / 本
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最後まで救いはなく、それでも営みを続けるしかなく、そこで巡る生命の循環。
女性の強さ、生きるために働くこと、団結することの強さと難しさ
2024年3月1日