願わくは、鳩のごとくに

著者 :
  • 扶桑社 (2010年10月30日発売)
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本棚登録 : 86
感想 : 17
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表紙に描かれた家系図がまず印象的だ。著者本人を中心に上へ伸びていくご先祖様には、歴史上の人物から著名な芸能人も、さらには怪しげな人物もいらっしゃる。ユニークなのは下に伸びていく先だ。著者自身の家族以外に、何と多くの芸能人たちの名前が記されている。著者は国民的ドラマ「北の国から」シリーズで知られたフジテレビの名演出家であり、この本を執筆するきっかけとなった「年の差結婚」でも注目された人物でもある。 昨年の12月に刊行され話題となっていた作品で、すぐに飛びつくのはいかにもミーハーぽく敬遠していたのだが、先日たまたま毎日新聞でのインタビューで、さりげなく子育てするご本人の様子を拝見して気が変わった。(毎日新聞のウェブコラム「楽コレ!」のインタビュー。) さすがに名演出家と思える実に洒脱な文章で、世間的には恥とも犯罪とも呼ばれかねない30歳もの年齢差がある結婚生活を、そのなれ初めから現在まで赤裸々にそしてユーモラスに(人によって自嘲的と言うのかも)綴っている。何しろ結婚した当時、医学生であった奥様はまだ27歳になりたてで、ご本人は57歳だったのだ。(結婚後10年を経て、いまやお子様が3人(9歳、7歳、3歳)。還暦を過ぎての子育てに一生懸命だ。)最終章で明かされるこの物語誕生の経緯が泣かせる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年3月1日
読了日 : 2011年3月1日
本棚登録日 : 2011年3月1日

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