再読
<夏と花火と私の死体>
九歳の夏休み、少女は殺された。
あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなくー。
九歳の夏休み「わたし」五月は、同級生の弥生ちゃんと仲良しで、
弥生ちゃんのお兄ちゃん・健くんが好きだ。
「わたし」は、ある日登った木の上から突き落とされて弥生ちゃんに殺される。
健と弥生の兄妹は、五月ちゃんの死体を隠す。
度々ピンチが訪れて隠すと見付かりそうになり、それでまた移動させる…。
この物語の主人公は「わたし」五月。
五月は序盤に殺されて、死体になってしまうにも関わらず、
初めから終わりまで語り手となっている。
主人公の目線で物語が進行していくのが斬新で興味深かった。
夏の長閑な田舎の風景や、集落の人々の姿や自分の母の姿、
自分を殺した弥生ちゃんや隠そうとしている兄妹の姿を、
恨むでもなく、その語り口調が余りにも淡々としているのが、
何とも言えない気持ちにさせられた…。
冒険を楽しむかの様に、事態を切り抜けていく健の姿が怖い。
そして、ラストにはゾワッとさせられた。
突っ込み所が満載でしたが、この小説を書いたのが、
著者が16歳の時だという。
16歳のデビュー作でこれを書くって凄いって思ったので★3つ
〈優子〉
見事に騙されたーーー!!って、思っていますが、
どちらが正しいのか…本当に、混乱してるのは誰なのか…。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ホラーミステリー
- 感想投稿日 : 2016年3月3日
- 読了日 : 2015年12月19日
- 本棚登録日 : 2014年8月1日
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