ハリウッドではみんな日本人のマネをしている (講談社プラスアルファ新書)

  • 講談社 (2009年11月20日発売)
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著者は、ハリウッドでプロデューサーをする日本人。ハリウッドの映画人を中心としたアメリカ人が今、日本に大きな関心をもち、日本からいかに必死に吸収しようとしているかを、豊富なハリウッド人脈とビジネス経験から、具体的に語っている。

たとえば10歳の天才野球少女を主人公にした映画の企画会議中に、重役がいった、「『スラムダンク』を知ってかい。あのマンガがまさにリアルタッチなんだ」。だからこの映画もリアルタッチで行こうというわけだ。この重役は、『スラムダンク』だけでなく、『大きく振りかぶって』や『バッテリー』など、近年のリアル系スポーツ作品を読んでいたという。

映画関係者が集まるブレインストーミング(自由に意見を出し合う)の場でも、「いま日本で何が流行っている?」が合言葉なのだそうだ。日本のマンガをアイディアの源泉にする脚本家もいるという。流行にもっとも敏感で、つねに最先端の面白いものを探している彼らの最新トレンドが日本のサブカルチャなのである。
日本発がかっこいい=クールというのが、いまやアメリカ都市部の共通認識になりつつあるという。

さらに著者は、自身の経験から、現在のアメリカは日本文化を抜きにしては考えられなくなっており、とくにアメリカ文化の「進化」、「成長」と思える部分で、日本に学んだ部分が多いと指摘する。

著者のこういう主張が容易に信じられないという人には、このブログでも取り上げた『ジャパナメリカ』を合わせて読んでもらえば、ある程度納得してもらえるかも知れない。今、アメリカに大きな影響を与えている「日本発ポップカルチャー革命」を丹念に報告している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ■最近、読んだ本
感想投稿日 : 2009年12月8日
読了日 : 2009年12月8日
本棚登録日 : 2009年12月8日

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