永遠の出口 (集英社文庫(日本))

著者 :
  • 集英社 (2006年2月17日発売)
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昨日再放送のものを録画してあったNHKのプレミアム8の『チーズと塩と豆と』という番組を見た。角田光代さん、江國香織さん、井上荒野さん、森絵都さんの四人がヨールッパのスローフードやソウルフードといったものを求め旅をしてそれれぞれがおのおのの体験をもとに小説を書き番組にミニドラマとしてそれを組み込んで行くというさすがNHKといった企画のものだ。報道の姿勢には問題を感じる部分も多々あるが、教養ものの分野ではやはり他局とはまだまだ一線を隠している気がした。そんな番組を見たのでその四人の本を読みたくなり積ん読文庫のなかから探したら森絵都さんの『永遠の出口』を発見。そして読み始め、本日午前中に読了。四人家族のなかの末娘紀子の物語で、普通の何処にでもいる少女がちょっとぐれたり、家族の離婚危機の中でどきどきしたり、はじめてのバイト生活の中での小さな組織の軋轢を啓経験しながら成長して行く様が描かれた作品。作者は紀子という本当にどこにでもいそうな少女の、他人からは計り知れない本人からしたらいっぱいいっぱいで、本当にはち切れんばかりの思いでもって毎日を暮らしている様子を温かい目線でもって描いているので、刷れてしまった大人が読むと自分の少年少女時代を思い出すとができ、ちょっと立ち止まり自分お姿を顧みる事が出来るかもしれないかなと思えた作品だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年12月31日
読了日 : 2015年12月31日
本棚登録日 : 2015年12月31日

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