破滅への疾走 (新潮文庫 た 52-15)

著者 :
  • 新潮社 (2008年3月28日発売)
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4

【破滅への疾走】 高杉良さん

昭和28年当時大洋自動車は「1年を10ヶ月で暮らす大洋」と
言われるほどストが絶えず、労組は階級闘争に明け暮れていた。
このままでは会社が潰れてしまう。大卒のエリート社員や
経営陣にはそういう危機感が満ち溢れていた。

その頃、高瀬や岩田など経営陣のバックアップを得て
エリート社員を中心に「自動車産業研究会(産研)」が組織され、
産研メンバーが中心となり第二組合が組織された。

危機感を持った社員は第二組合に走り、1年もかからずに
第一組合を壊滅するに到った。

そして第二組合は宮原が中心となり大洋自動車の労使協調体制
が確立されたのだった。

第二組合は宮原の失墜により彼の腰ぎんちゃくであった
塩野がトップに立つようになった。塩野は組合の拡大路線
をとり、ついには大洋自動車本社をも凌駕する組合員数を
誇る労組のトップにたったのだ。そして、会社の人事にまで
介入するようになり、己の権力を守るため、組合の中では
恐怖政治を敷くようになる。



高杉良さんの経済小説は面白いですね。この物語も、ぐいぐいと
引き込まれました。

力を持った塩野は次第に横暴に振舞うようになり
意に添はぬ大洋自動車の社長に対してはストをちらつかせ
恫喝する。大きな組織の権力闘争ってホントにこんな
感じなのかな。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 高杉良
感想投稿日 : 2012年4月24日
読了日 : 2012年4月20日
本棚登録日 : 2012年4月24日

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