文芸誌『SWITCH』を手に取ったことは、残念ながらほとんどありません。でも、歌・演劇・映画界で人気を博す人たちを、どのように浮かび上がらせるインタビューなのか気になって、手に取りました。個人的には、登場する人のうち、純粋に興味があったのは1/3くらいだったんですが。インタビューする人に合わせて、簡単なQ&Aや同行など、いくつかの形式がセレクトされています。それが功を奏していたり、空振りに終わっていたり…人の神経を逆なでするような質問を仕掛けて本音を言わせるというテクニックもあると聞きますが、それとは違って、「当たってるなー/外してるなー」というのが正直にわかってしまうような印象を受けます。福山雅治さん、野田秀樹さんなどはうまくシンクロしたインタビューのように思うけど、井上陽水さん、勝新といった面々に対しては、返り討ちにあったりして、明らかにしんどそう(苦笑)。最初は気付かなかったのですが、読んでいくうちに「この書きようには覚えが…」と感じる場所が多々ありました。良くも悪くも、インタビュアー・新井さんが下敷きにした、「その人」の影響がものすごく大きいインタビュー集なのかもしれません。意識していてもいなくても、おのずと似てしまう。でも、そうなってしまうと、よっぽどのことでないと、アラばかりが見えてくるような気がします…「その人」が持っている、深さとシャープさには少し遠かったり。でも、これは上手・下手の問題じゃなくて、自分の好みに合う・合わないの問題だとも思います。個人的には、「文庫のあとがき」が一編のインタビュー+エッセイとして、すごく素敵に感じたから。華やかな旬の人、ということだけでなく、何か別の「えっ」と思うものがあれば…とぜいたくにも思ってしまったところが多かったので、この☆の数です。ごめんなさい。-----[2011.3.17 未読リストアップ時のコメント]-----書店で見たら、意外と分厚かった本。大変な地域の外にいる私でも、さすがにここ何日か、小説に手が伸びない。でも、どこからでも読めそう…「梨園のプリンス」で通っていた、あのヒトとか。
- 感想投稿日 : 2011年3月17日
- 読了日 : 2011年3月23日
- 本棚登録日 : 2011年3月17日
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