ポップな表紙で薄いわりに結構な価格がするので、さすがにちょっと考えましたが、「『麗しのオルタンス』のルーボーだし」と、思い切って買いました。
ざっくりまとめると、「おかしなフランス人じいさまが山手線を乗り降りして、心をよぎったことをだらだらつぶやく本」です(笑)。自販機で売られる商品を延々紹介したり、現地の人にはごく普通に感じる、ショウルームの商品紹介に釘付けになったりって、日本人も海外で結構やるけど…藤原定家に思いをはせ、ソネットを作り…自由だなあ。
文学的にいえば、ルーボーは「ウリポ」というフランスのけったいな文芸運動のメンバーなので、理解できないことも多いです。意外と読みやすい論文調のレイアウトに、「メトロ詩」って?「クノー数」って?と、真剣に悩みだしたらきりがない(笑)。まあでも、そういうマイルールにのっとって東京をさまようルーボーさんというのが妙に楽しそうで、無性に山手線に乗りたくなってしまいました。ルーボーさんは数学者で詩人でもあるので、数学的考察も出てくるのですが、こういう遊びをみていると、「数学も言葉も、結局は遊びのツールなんだよな」と思ってしまいます。
適当に本を開いて、ぶち当たったページや、気になったフレーズのあるページから読んだりするので、読み終わっているんだかどうだか今ひとつはっきりしません(笑)。ページレイアウトやポップな色使い、くそ真面目な脚注など、いろいろ「ようわからんけど、なんかおもろい」本です。山手線沿線に住んでたり、土地勘のある人は楽しさ倍増(かもしれない)なので、うらやましい!
-----[2011.8.10 未読リストアップ時のコメント]-----
ただいま読み中です。もっと難解かと思ったら、意外と読みやすくて楽しいかも…。
- 感想投稿日 : 2011年8月29日
- 読了日 : 2011年8月29日
- 本棚登録日 : 2011年8月9日
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