あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (2006年12月6日発売)
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本棚登録 : 271
感想 : 27
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2017年1月
相手に伝えるためには、自分の中の「気付き」が重要である。筆者は、その気付きを「問い」として表現し、自分が考えた物事のきっかけとしてどんな「問い」があったのかを相手に共有することから、自分と相手への架け橋が生まれると言う。
また、「意見」と「根拠」はセットで伝えなければ納得させることができない。考えてみれば非常にシンプルな意見だけど、日常で自分がどれだけそこを意識して話ができているのかと振り返るきっかけとなった。「自分はこう思う」「その理由はこうだから」という論法だけど、どうしてもその「根拠」を語らずに伝えようとしてしまうことが、普段の自分には多いなと感じた。まずはこれから始めてみよう。その上で相手に伝わらない場合は「問い」を共有してみよう。

また、「メディア力」という考え方もとても面白い。自分の職場の会議でも、同じ意見を言っているのに、ちゃんと話を聞こうと思う人となんとなく聞き流してしまう人もいる。これは伝え方の前提となる部分ではあるが、何かを発信する際には、「自分がどのような人として見られているか」を意識しなければいけないと感じた。

最後に、私自身が最も痛感したことは、「自分が本当に伝えたいこと」と納得して伝えなければ意見に意味はないということだ。何となく正論だったり、こういうもんでしょと思って話す事柄は相手に伝わらない。そう思えば、別に何でもかんでも伝えようとしなくても良いのだな。本当に伝えたいことが何なのかを考えてから話をしたいと思った。

筆者の働き方や、周りとの関わり方も含め非常に勉強になった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年2月1日
読了日 : 2017年2月1日
本棚登録日 : 2017年2月1日

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