はぁ、なんて濃密な物語。泣きました。色んなものが詰まっている。
本当に、とてもとても面白かったです。少女漫画で、ここまで骨太に世界観を作り上げて政治的な駆け引きの話を描くのは本当にすごいし、そして、更に少女漫画だからこその、精神の機微。それぞれの大切な感情まで大事に汲み上げて。多くは語らず、だけど、ひとつひとつの表情、それだけで語られる感情。それを描けるのはすごいです。それは少女漫画でしか描けないものだと思います。
毎巻毎巻思うのですが今回も、ひとつひとつのコマ、表情に、それぞれのキャラの万感の想いがこもっていて、1冊がとても濃厚なのです。この構成力と画力は本当にすごい。表情だけで、モノローグなしで、感情をダイレクトに伝えてしまう。だから、何度も何度も胸にきて、泣いてしまいます。
双子。救われて欲しいです。光を、望みを。ゼンと、ゼンの周りは、互いが互いを、皆が皆を想っていて、だから光に溢れている。まさにそうだと思いました。
オビが現れて真顔で「抱きつきたい」と言うゼンと木々に笑いました。本気の感情。言いながら「怪我してるのか」と気づくゼンだとか、ああいうやり取りも、そのテンポも本当にツボです。嬉しさをちゃんと伝える。悔しさも。ミツヒデとゼンと木々のやり取り。悔しくてゼンが「俺と木々は怒ってるんだ!」と言った最後の言葉が「おまえも!」で、「ミツヒデも怒ってる」とちゃんと代弁するところ。
挙げ出したらキリがない。好きがみっしり詰まった作品です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
少女漫画:白泉社
- 感想投稿日 : 2017年3月18日
- 読了日 : 2017年3月18日
- 本棚登録日 : 2017年3月18日
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