28年奉職した古巣ということで,かなり贔屓目に書かれてる。戦前からの歴史に簡単に触れた後,在職中に経験した改革が詳しい。日教組や教育委員会との関係や,臨教審に基づく事業メンテナンス官庁から政策官庁への脱皮,2001年1月の科技庁との統合による変化などが現場の雰囲気を交えて描かれる。
後半は,ちょっと鼻につく。あまり読者の共感を得られそうにない文科省の「吏道」とか伝統とかキャリアとノンキャリの連帯とかの記述が続く。「三流官庁」,「御殿女中」と言われてきた僻みからなのか,文部省絶賛といった感じ。統合による職場文化の変容を寂しく思っているようだ。著者くらいの年代だと,そんなものかもしれないが,いくらなんでも,というのもあった。ノンキャリが定時に帰る他省庁とは違い,文部省ではノンキャリもキャリアと一体となって残業し,プライベートでも一緒に遊び,一緒に飲んでいたとか自慢されてもね…。いい思い出がいっぱいあったのかもしれないけど,ちょっと不見識でしょう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
政治
- 感想投稿日 : 2014年1月20日
- 読了日 : 2014年1月23日
- 本棚登録日 : 2014年1月20日
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