山賊ダイアリー(5) (イブニングKC)

著者 :
  • 講談社 (2014年8月22日発売)
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感想 : 40
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獲って、食べて、描く。
猟師兼漫画家による狩猟コミック第5巻です。

前巻までで1回目の猟期(通例、11月15日から翌年2月15日まで)が終わり、今回は休猟期から始まっています。休猟期でも著者が自分で食材を調達する姿勢は変わらず。
春は山菜の季節。種々の山菜を見つけて食べる著者の知識や工夫に感心します。ただ、野生のものは成分が強かったりするので、毒のあるものはもちろんですが、そうでなくても食べ過ぎには注意が必要なようです。
動物性タンパクとしてはアメリカザリガニ。ザリガニ釣りでたんまり釣って食べてみています。可食部は意外に少ないようですが、それなりにおいしいようですね(ちょっと興味がわきますが、うちのザリガニ、もう1匹しかいないし食べちゃうわけにもなぁ・・・)。
さらには元自衛隊員の先輩猟師さんと川に出かけるのですが、そのときのサバイバル鍋(?)の中身がすごい。アカミミガメにウシガエル、トノサマガエル、アメリカザリガニ、マムシ。・・・何ですか、それ? マクベスの魔女の鍋ですか・・・?
黒い色に染まったスープは食欲ではなく不安をあおったようです。お味は、読んでのお楽しみということにしておきましょう。

いざ、猟期が始まりますが、著者は初日にハプニングに見舞われてしまいます。その際に同行していた先輩老猟師とのその後のやり取りが心に響きます。

ところで、表紙のネズミのお化けみたいなものは・・・?
はい、ヌートリアです。
近年、特に関西を中心に増え続けている外来種です。個人的には本シリーズを読み始めたきっかけはこの生きものです。
著者がこれまで何度かニアミスしながら、食べる機会がなかったヌートリア。この回ではついに食べています。焼いたものに岩塩を添えて、あっさりとした食べ方ですが、なかなかおいしかったようです。大きめの個体で優に大人4人分取れたとのこと。ほぅ。意外においしいのですか・・・。

その他、鳥の狩りや道具についての話など、今回も盛りだくさん。
野生動物を食べる際には、やはり加熱はしっかりした方がよさそうですね。

自分でできる気はあまりしないのですが、このシリーズ、いつも感心させられ、いつもおもしろく読んでしまいます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2014年8月26日
読了日 : 2014年8月26日
本棚登録日 : 2014年8月26日

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