一世代前に比べると、親が子供の教育にずいぶん深く関わるようになってきている。宿題を見てやったり、塾に通わせたり。その一方で、まったく無頓着な家庭も多く存在し、二極化が起きている。その一因が政府による「家庭教育」推進にあり、「まじめ」な母親は罪悪感にとらわれつつ、もっともっととがんばってしまうし、一方で「家庭教育」自体を放棄する家庭では、「家庭教育」で補われるべき部分がまったく補われないという自体が起こる。「教育」をこれ以上家庭に押しつけるな、「教育」がうまくいかなかったとき、それを母親たちのせいにするな、というのが本書の主題。著者、自ら子持ちの教育学者。善意の人・聡明な人ではあるのだろうけど、この本に関しては、初めに結論ありきな印象。日々の生活の「実感」を統計の形で裏付けてみた、という感じ。でも、読んでいて何だか、「実感」が先で、「データ」をそこにくっつけた感じがした。本書の結論がよい・悪いはおいておいて(いや、大事な主張と思うからこそ)、個人的には統計的に証明するには説得力が今ひとつと感じられた。単に自分が統計嫌いだからなのかなぁ・・・。個々の母親のインタビューを割に詳細に載せていて、その部分が自分としては一番おもしろかった。
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- 感想投稿日 : 2009年7月22日
- 読了日 : 2008年11月8日
- 本棚登録日 : 2009年7月22日
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