文庫版 塗仏の宴 宴の始末 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2003年10月15日発売)
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本棚登録 : 5044
感想 : 328
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 家族に対して常日頃から不平不満を抱いている人に読んで欲しい作品。
 詳細をここでたらたらと書いても意味はないのでしないが、この作品にはいくつもの物語の骨があり、その中に家族の崩壊と再生という骨がある。
 家族というモノは主観的に観れば不思議でもおかしいことでもなんでもない。だが客観的視点で観ると、実は歪で異常なモノであり、かつそれが正常である。ただそう認識していないだけであり、おかしい、と認識した途端に溜まっていた不平不満が爆発し、家族は崩壊する。

 人間誰しも家族に不平不満を抱いている。ソレを自認しつつ上手に解消する術を身につけることが、良き家族関係を築き続ける方法なのだ、とこの作品を読んで私は思った。

 今も、家族に対しよくない感情が強くなったり疑問を抱いたりしたときは、これを読んで、そのような気持ちを抱くのは当たり前である、と再確認することで自制を保っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:京極夏彦
感想投稿日 : 2012年3月5日
読了日 : 2012年3月5日
本棚登録日 : 2012年3月5日

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