数か月前から書店で気にしていた書ですが、ついに購入して一読。
多民族国家ユーゴスラビアの100年史の解説と共に、著者が取材したサラエボで暮らしていた主要な民族のエピソード・想いを綴っております。
島国・ほぼ単一民族で構成されている日本ですが、サラエボを首都とするボスニア・ヘルツェゴビナには、主要3民族であるボシュニャク人・セルビア人・クロアチア人以外にもユダヤ人など多数の民族が共存した国家であり、これら民族の利害が絡んだ内戦となり、停戦まで長期間を要した様が、生々しく理解できました。
米国主導で今の国家形態となりましたが、構造的にはボシュニャク&クロアチア連合とセルビアで実質的に国家が分断されていることや、ユダヤ・ロマ人などに政治的な権利がないことなども、この書で知りました。
どこでも同じですが、一旦喧嘩した後に全てを水に流すことの難しさを感じます。
最後に、無理繰り日本人への自虐史観的な論が入っていましたので、満点を外しましたが、それ以外の部分は非常に素晴らしい内容だったと思います。良書でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2017年5月7日
- 読了日 : 2017年5月13日
- 本棚登録日 : 2017年5月7日
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