まもなくオリンピックが開催される昭和39年、東京。
三人の少年が、小高い丘の上から東京の夕陽を眺め、
夢を語る場面から物語は始まる。
そして現在、最先端の設備を誇る六本木のタワービルが乗っ取られた。
人質は最上階に住む社長───。
面白かったです。
犯人の動機には少し「ん?」となりましたが…。
最後のどんでん返しのような真相、全く想像しませんでした。
成功者と呼ばれる人が、何かを成し遂げるために、やむを得ず犠牲にしてきたもの。
欲しいものは、何もかも手に入れているかのように見えても、
一番欲しかったものは手に入らなかった。
その孤独がせつない。
「象のお話」と冒頭の東京の夕陽が深く印象に残ります。
余談ですが、重要な役割を担うお掃除ロボットの「ロボタン」。
人気のない暗いビルの中を、一人でエレベーターに乗ってお掃除している姿を想像したら、
なんだか妙にいじらしく思えてしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年10月21日
- 読了日 : 2017年7月
- 本棚登録日 : 2017年10月21日
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