【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社 (2017年1月12日発売)
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「医師にはできず、医師でなければできず、そしてどんな医師にも成し遂げられなかったこと」
それはいったい何なのか───

最初は保険金詐欺だと思っていた。
ところがその後の展開は、想像を絶するものだった。
”完全寛解”の謎が解けても、なんだかモヤモヤとしたものが残る。

狂気としか思えなかった。
たしかに一度は死と向き合い、その淵から這い上がれたとき、人生感は変わるのかもしれない。
でも、それすらも誰かの手によって操られるなんて…
理由はどうあれ、こんなことが許されていいのだろうか…
人の命をもてあそんではいけないと思う。

ただそれとは別に、治療方法や新薬の研究、治験への取り組み、がん保険のしくみ、
専門的なことが丁寧に解説されていて勉強になりました。
「このミス」大賞受賞作ということですが、
単に娯楽ミステリーと割り切って読むことができたら、
感想はまた違ったかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行
感想投稿日 : 2017年11月13日
読了日 : 2017年7月
本棚登録日 : 2017年10月21日

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