家庭教育の心得21

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  • 致知出版社 (2010年1月21日発売)
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・母親の責務…人間教育の真の基礎は家庭であって、しかもその8~9割までは実に母親の責任。「人間教育」という点では、残念ながら学校教育に大した期待ができないということ。学校は結局知識を教えることが主。よい先生や立派な校長先生に出会うと学校でも立派な人間にしていただけるが、現状ではこれは実際にはどうも困難と思わねばなりますまい。では家庭教育は一体どうしたらよいか。家庭教育の根本はまず「躾」から始まる。

・父親を立てよ…「ウチの父ちゃん、もっとしっかりしてちょうだい」という母親自身の言葉はまるでわが子に「父親軽視」の種まきをしているようなもの。子どもに「父親軽視」を仕込んでおいて子どもの人間教育なんて笑止千万。「亭主関白を増長することになりかねない」と心配なさる方もおありかと思うが、父親軽視の種まきは絶対いけない。父親軽視が父親に対する不信感に陥り、わが子を根本的に駄目にしてしまう。

・家庭生活上の最大のがん…親が年頃の子をむやみに叱ることと、子どものいる前では絶対に夫婦喧嘩をしないということ。せめてわが子のいる前だけは、それこそ絶対に夫婦喧嘩はしないという根本原則を確立してこれを厳守する。

・人間として一番大事なこと二カ条
1)自分がいたん決心したことは石にしがみついても必ずやり抜く人間に
2)ほんのわずかなことでよいから、他人のために尽くす人間に

・「食」の心得三カ条
1)主食を白米から玄米に切り替える
2)甘いものをとりすぎない
3)よく噛みよく味わう

・ひもじさの経験…我々は時に飢餓感、すなわち「ひもじさ」を経験し、またわが子にもこれを体験させることが必要。ひと月に1回ぐらい夕食抜きの日を家族で持てばほぼ理想に近いといえましょう。また、ひと月に1日、玄米とみそ汁・漬物及び梅干しだけの日(=いわゆる粗食の日)をつくっていただきたい。人間というものは贅沢に慣れやすく、「食」の恩恵を忘れがちなもの。また、人間は物の豊かさに慣れると、とかく精神力の緊張が欠けて緩みやすくなりがちだから。時には「ひもじさ」を経験させるということは、親としての真の愛情ではないでしょうか。

・9つほめて一つ叱れ…人をほめるということは土壌に水をやり、肥料をおくような仕事。ほめるということは、その芽生えに注ぐ太陽の熱と光にも相当するもの。植物の成長に欠くべからざる第一必須の根本条件。それとともにもう一つ「ほめるということ」は相手を受け入れ態勢にさせるコツ。いわば伏せたコップを上向けにするような宅効をもつもの。これ一つできないようでは、いくら家庭教育といってみても空念仏である。

・「人は説教によって育つものではない」ということへの根本認識をまずもつこと。どうも世の教師も2+2=4というように説教さえすれば相手は聞くもののように考えている人が多いが、それがいかに根本的な迷妄かということが分からぬ限り、真の教育はスタートしないといってよい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年8月9日
読了日 : 2016年8月9日
本棚登録日 : 2016年8月9日

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