ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?

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  • PLANETS (2015年6月9日発売)
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・プラットフォ ームとは 、個人や企業などのプレイヤ ーが参加することではじめて価値を持ち 、また参加者が増えれば増えるほど価値が増幅する 、主に I T企業が展開するインタ ーネットサ ービスを指す。プラットフォ ームはある時点から一気に世界を変える。

・3 Dプリンタ 、教育 、シェアリングエコノミ ー世界を変える三つのプラットフォ ーム・・・ものづくりの新潮流メイカ ーズ ・ム ーブメントを象徴する 「 3 Dプリンタ 」 、インタ ーネットにつながることで激変する 「教育 」分野 、そして個人が所有するものなどをインタ ーネット経由で貸し借りする 「シェアリングエコノミ ー (共有型経済 ) 」の三つ。

3 Dプリンタは大きな話題となっている「短時間でものづくりの試行錯誤ができる。3 Dプリンタというテクノロジ ーに私がみる可能性の一つは 、この 「生活を劇的に変える 」。

教育でもグロ ーバル化が進み 、格差が目立つようになってきている。外国人留学生が日本最高峰の名門大学といわれる東京大学の入学を辞退した 、なんてことが日本ではニュ ースとして取り上げられるが、グロ ーバルに見れば東京大学も優秀な学生にとっては選択肢の一つにすぎない。フランスの経済学者トマ ・ピケティの 『 2 1世紀の資本 』 (みすず書房 )は 、富めるものはより富むという格差社会をデ ータから分析した点で話題となったが。まさに同じ状況が教育にもある。実際に 、米国の大学ではこの一〇年で学費が倍増しているというデ ータもあり 、富めるものが高い教育を受け 、グロ ーバル企業に入り高い賃金を得るという構図になりつつある。富もも教育も二極化しているため、強い危機感を抱いているが、だからこそ I Tにもとづく教育や学習のプラットフォ ームに期待をよせている。必ずプラットフォ ームが教育や学習を変えていける 。危惧を抱くのはエリ ート教育。言い換えれば 、社会をつくり 、ビジネスや経済を牽引するリ ーダ ーは 、優秀な学生が集まり 、切磋琢磨するなかで生まれる。世界で活躍できるリ ーダ ーが育つ環境が英語圏だけに集中し 、結果日本にいる人がリ ーダ ーとなるチャンスを失っている。これは非常にもったいないことであり 、また英語圏と日本の間にギャップがあることに早く気づくべき。

・「シェアリングエコノミ ー (共有型経済 ) 」の 「シェア (共有 ) 」という考え方は 、ある種のプラットフォ ームの原理にもっとも近いもの。シェアリングエコノミ ーのプラットフォ ームはすべてのプロセスを自動化し 、提供者側にとっても使う側にとってもサ ービスを非言語に近づけていく非言語化することで心理的なハ ードルが下がり 、社会がなめらかになり 、人々の 「モビリティ (移動性 ) 」を高めていく。日本のポテンシャルは 「 B t o B t o C 」サ ービスにあり、「日本型プラットフォ ーム 」とも呼ぶべき独自のポテンシャルを持っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年9月5日
読了日 : 2016年9月5日
本棚登録日 : 2016年9月5日

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