小津安二郎の撮った東京はもうない。失われた古き良き東京。そのことを証明するために撮られた映画のよう。でもそれは、西洋人の着眼。
ジャパニーズは、はじめからそんな東京は存在しなかったということを知っている。
観ながらふと、ヴィム・ヴェンダースが撮ったことを忘れて映像に魅入ってしまうが、ふと「西洋人」が撮ったことを思い出して、思わずふとその映像を相対化してしまう。その呼吸がおもしろかった。
そもそも失われていないものを追憶するそんな視点のおかげで、かえって新たな東京の相貌が発見される。そんなことってあるんだなあ。
いや、コロンブスのアメリカ「発見」を始め、昔からありはしたのだけれど、このごろは、虐殺される心配はないから、純粋に楽しめた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
DVD
- 感想投稿日 : 2013年12月21日
- 読了日 : 2013年12月21日
- 本棚登録日 : 2013年12月21日
みんなの感想をみる