それを愛とは呼ばず

著者 :
  • 幻冬舎 (2015年3月11日発売)
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本棚登録 : 619
感想 : 106
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最後の数ページに驚愕しました。
そして新聞小説だったことにも唖然。

新聞小説=細切れのイメージです。
今回の作品にそれは一切なく、
ただただ疾走していくイメージです。

今回は珍しく性描写が少なかった。
それでも、人間の温度がページを進めるごとに
痛みとも呼べるような重さをもって
のしかかってきます。

その鈍とした、
桜木さんからいつも感じる深度に
ぞっとします。

気持ちが悪いからぞっとするのではないのです。
こめかみを押さえるような共感が合って
その共鳴とも呼べるような何かに、
引きずりこまれるからです。

読み進めて最後の数ページで
自然に泣いていました。
そのクライマックスの上昇も
形容しがたい。

贅沢な一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月2日
読了日 : 2015年4月2日
本棚登録日 : 2015年4月2日

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