海のふた (中公文庫 よ 25-4)

  • 中央公論新社 (2006年6月1日発売)
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本棚登録 : 2590
感想 : 275

友だちにプレゼントされた本。
よしもとばななさん、小説を読んだのは初めて。
なんというか、日常、というか、そんな気がした。私たちの日常の中にも、後から考えるとターニングポイントになるような特別な時間や時期ってあると思うんだけれど、そういう、日常の中の一場面に特化して、そこで感じたものや目にしたもの、出会ったものや話した会話を切り取ったお話という印象。
私にとってはまるで誰かの話を聞いている気持ちになるような、とても親しみやすい作風なんだなと思いました。
と同時に、物凄いメッセージ性を感じて、私は何回かに分けないと読めない、、ってくらい力強さがあった。

p186の最後の行からラストまでが印象的だった。まるで、映画のエンディングを観ているかのように、鮮やかにそのシーンが思い浮かんだ。

〝私たちは人間だから、すごい力を持っているのだ。誰かがかき消そうとしても、無理やりに均されそうになっても、どんなに押さえつけられても絶対になくならない、そういう力を。〟

〝みんなが自分の周りのすべてに対して、そんな風に豊かであったなら、きっとこの世の中は……。〟

あとは、世の中の生きにくさのある人たちに対して、優しい人なんだな、と感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年3月20日
読了日 : 2016年3月20日
本棚登録日 : 2016年3月20日

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