冒頭、グロテスクな描写なので読むのをやめようかとも思ったけれど、読むにつれ物語の広がり、深まりが静かな語り口の下で激しく進んでいく。
今まで、これほどのSF・ミステリー・アクションすべての要素が詰め込まれた小説があったか?
文中の言葉を借りるなら、思索的でもある。
自身の置かれた状況を映画「地獄の黙示録」のカーツ大佐とウィラード大尉にたとえているが、それを遙かに上回るテーマ性と意外性がある。
10年、生年が遅い作者と、同じような文化的体験をしていると感じられる描写が随所にみられ、それもポイント。
残念なことに作者はすでに亡くなっている。 残念。
本当に面白かった。
前にも「ジウ」のレビューでも書いたことがあるけれど、静かな本屋さんの中にある本の、ページを開いた瞬間からこんな胸躍る物語が飛び出してくるって、本当に面白い。
やめれんな・・・。
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- 感想投稿日 : 2016年1月16日
- 本棚登録日 : 2016年1月16日
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