遺伝的プログラム論 人間は遺伝か環境か?――遺伝的プログラム論 (文春新書 485)

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年1月20日発売)
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感想 : 9
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学術論文、というわけではないらしい。

結局、遺伝と環境の二つの要素が人間を形作る。環境による学習効果は特に大事で、集団生活が重要、というのが持論らしい。この持論へのこだわりが非論理的で、論拠が危うい。従い、後半に掲載される対話の中で、集団生活の必要性に対し、人間そのものはプライバシーを好むという点において自己撞着に陥ってしまう。非論理的に流れを組み立てると、このような、ゴール不明な書物が度々生まれる。そもそも、行動一つ一つを領域別に識別をしないから、論が混乱する。お風呂や睡眠を集団生活で済ます必要はない。労働や教育は、きちんと社会生活においてなされている。その点、現代が単独生活で危険とは全く言えない。そもそも、テレビの効果をどう見るか。主論に戻ってもそう。環境因子と遺伝因子を要素ごとに分けなければ。全体感でもって、複合的です!なんて帰結は、はっきり言って無意味だ。

そもそも。…だろう、…と思う、…かも知れない。などの推測のままの文章に意味があるのか?
言葉はキツイが、残念な書である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月30日
読了日 : 2014年7月30日
本棚登録日 : 2014年7月30日

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