祇園祭の宵山で起きる不思議な出来事と、それに巻き込まれた人々を描いた連作短編集です。
作者の作品で三人称の話は初めて読みましたが、外からの目線という意味付けと、祭りの賑やかでありながらもしっとりとした雰囲気がよく伝わってきました。
非日常が日常を侵食する怖さがある一方で、作者らしいどたばたな話もあり、そちらの作風が好きな人間も満足できると思います。
話の大部分は実際の祇園祭とは何の関係もない作者の想像力の産物であり、登場人物から読者まで無理矢理に巻き込んできますが、それが人々を惹きつける祭りの魔力と重なって、
何となく納得させられてしまうところが、苦笑いするしかないような不思議な物語でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年10月8日
- 読了日 : 2016年10月1日
- 本棚登録日 : 2016年10月8日
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