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ノックス・マシン (角川文庫)
- 法月綸太郎
- KADOKAWA / 2015年11月21日発売
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内容(「BOOK」データベースより)
2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。
ノックス・マシン、SFを読みなれない人間からすると非常に難しい文章だった。が、読み終わった後、ミステリ的にはとてもさっぱりしたシンプルなものだった。
引き立て役倶楽部の陰謀、これもタイトルを見て思い描いていたものとは違い、メタ要素が絡み合い気軽には読めない重厚なものだった。ワトソンはパロディで主役として書かれると、すこし残念な感じになることが多いのはなぜだろうか。
エラリー・クイーンの国名シリーズをまた読み返してみたくなった。
2016年2月1日
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インシテミル (文春文庫 よ 29-1)
- 米澤穂信
- 文藝春秋 / 2010年6月10日発売
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超高額の時給につられて集まった12人の男女。だが彼らを待っていたのは、参加者同士に殺人をけしかける犯人当てゲームだった・・・。
クローズドサークルの館モノ。明確な理由もわからず、館に閉じ込められた人たちが殺し合いをさせられる、といった点ではバトルロワイヤル系に似ている。どんどん人が死んでいくが、緊張感は全くない推理ゲームのような・・・。最近のはやりなんでしょうか。ミステリファンとしてはメモランダムが結構楽しめた。
2010年10月2日
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生ける屍の死 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M や 1-1)
- 山口雅也
- 東京創元社 / 1996年2月25日発売
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まず、何といっても本格推理なんだけど、殺された死体が甦るという設定がぶっ飛んでる。ただ、そのぶっ飛んだ設定の中でも、ディクスン・カーばりのドタバタ悲劇や警官や探偵の活躍があって、本格推理小説のひとつの形にはなっている。そして死という現象に苦悩するパンク探偵。霊園を舞台にしていることもあり、死へのおもいが全体にのしかかるような作品。でも、ちと長い。
ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った! この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか? 自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、果たして肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか?
2010年1月21日
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幽霊の2/3 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M マ 12-3)
- ヘレン・マクロイ
- 東京創元社 / 2009年8月30日発売
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心酔している作家が、長年の沈黙を破って出した新作はたとえどんな出来だろうと称賛せずにはいられない。そんな一文が好き。
2009年11月15日
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ホームズの秘密ファイル (創元推理文庫 272-1)
- ジューン・トムスン
- 東京創元社 / 1991年5月1日発売
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コナン・ドイルが生み出した名探偵ホームズを主人公としたパロディ・パスティーシュ小説の1つ。ワトスン博士がさまざまな理由により公開しなかった手記が見つかった、という形で展開される短編集。スマートなホームズが颯爽と事件を解決する姿が描かれており、どちらかというと"おとなしい"ホームズ。贋作ホームズは、中世のイギリスをホームズを通して表現されることも魅力の1つです。
2009年10月27日
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黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)
- コーネル・ウールリッチ
- 早川書房 / -
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さりげなくターゲットに接近しなにごともなかったかのように殺していく幻の女。彼女の名前は誰も知らず、ただ黒いドレスを着ていたことだけが手がかりだった。彼女の目的はいったい・・・。
コーネル・ウールリッチお得意のサスペンス。彼の作品「黒い天使」でも女の執念やそれにあてられる被害者たちの転がり落ちるような運命を描いていますが、今作「黒衣の花嫁」はさらに上を行く悲劇。作品としては後半だれ気味ではありますが、終盤の落ち込みは読んでいても暗くなります。しかしコーネル・ウールリッチの作品にでてくる主人公(男)は幸せモンですな。
2009年10月27日
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半落ち (講談社文庫)
- 横山秀夫
- 講談社 / 2005年9月15日発売
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アルツハイマー病と診断された妻を殺害し自首してきた警察官・梶聡一郎。動機やその経過は明らかにするが、殺害から自首までの2日間の行動だけは決して語ろうとはしない。完全に落ちない、半落ち―。梶の、この2日間に秘められた想いとは・・・。
映画化などで話題になった半落ち。警察小説ではあるが、その焦点は華やかに犯人を挙げる刑事たちではなく、その後ろで警察組織を支える管理部の人々。犯人の逮捕後、警察・記者・検察・弁護人・裁判官・刑務官などの間にわだかまる感情や空気を、それぞれの視点から梶聡一郎の事件を追っていく。お互いの関係や取引などが生々しく、まるでドキュメンタリーのような小説。しかし、梶が自首した理由、2日間の行動を黙秘する理由。悟りを開いたような人間は、なるほど、澄んだ目になるのだろうか。
2009年10月27日
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シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)
- コナン・ドイル
- 新潮社 / 1953年4月2日発売
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六とん2 (講談社ノベルス ソB- 6)
- 蘇部健一
- 講談社 / 2005年10月1日発売
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著者の迷著「六枚のとんかつ」に続くバカミス第2弾。時間ミステリやファンタジーなども加わり、バラエティーにとんだ1冊。短編集。
短編の種類(古藤シリーズ、半下石シリーズ、ノンジャンル)によってA、B、Cの3つのグループに分けられている。著者の新たなジャンルであるファンタジー風味の「きみがくれたメロディ」はなかなか良かった。ちなみに一番おもしろかったのはあとがきである。しかしあとがきから読んではいけない。
2009年10月27日
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喪服のランデヴー (ハヤカワ・ミステリ文庫 ウ 1-1)
- コーネル・ウールリッチ
- 早川書房 / 1976年4月1日発売
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飛行機に乗っていた誰かの、ふとした行動から、一瞬のうちに愛する女性を失ってしまったジョニー。数日後、彼の手にはそのとき飛行機に乗っていた客の名簿が握られていた。彼はその名簿に載っている男の妻や恋人たちを残らず殺そうと計画したのだ。―どんな気持ちかね―というカードを添えて・・・。
ウールリッチのロマンス全開の作品。プロットには「黒衣の花嫁」に似たところがあります。
2009年10月27日
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封印再度 (講談社文庫)
- 森博嗣
- 講談社 / 2000年3月15日発売
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50 年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。<「BOOK」データベースより>
森博嗣の犀川シリーズ5作目。このシリーズの探偵役・犀川創平はなかなか好きなキャラクタです。物語の構成がカッチリとしていて、ダレ場はしっかりと演出で盛り上げるという、ゆったりとたのしく読める作品。
2009年10月27日
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天使と宇宙船 (創元推理文庫 605-2)
- フレドリック・ブラウン
- 東京創元社 / 1965年3月1日発売
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命令するとなんでもしてくれる小人を発明した「ユーディの原理」、後光がさすミミズを見てしまった男の話「ミミズ天使」、突如として電力を失った20世紀文明はいかにして進行してゆくかを描いた「ウァヴェリ地球を征服す」、などさまざまなアイデアで綴られるフレドリック・ブラウンのSFファンタジー集。
世間の評価とは逆のようですが、私はフレドリック・ブラウンのSFとミステリではミステリのほうが好きです。今回の作品集でも「ミミズ天使」や「諸行無常の物語」などのミステリ色の強いSFが大変おもしろいです。
2009年10月27日
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パズル崩壊 WHODUNIT SURVIVAL 1992-95 (集英社文庫)
- 法月綸太郎
- 集英社 / 1999年9月25日発売
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一本の懐中電灯から完全犯罪が崩壊する。リュウ・アーチャーを主人公にした事件。八つの短編からなる法月綸太郎第2短編集。
まず1作目「重ねて2つ」がぶっ飛んでます。まあ題名から想像つくと思いますが。基本的に前半は割と良作が多く、「懐中電灯」は本格推理物としてよくできていますし「トランスミッション」なんて、こんなユーモア作品も書けたのかと驚かせるような代物。しかし後半はちょっとついていけない感があります。「ロス・マクドナルド~」も途中からワヤワヤになるし「カットアウト」にいたっては単調で短調。
2009年10月27日
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煙で描いた肖像画 (創元推理文庫 M ハ 5-3)
- ビル・S.バリンジャー
- 東京創元社 / 2002年7月1日発売
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古い資料の中から出てきた新聞の切り抜き。それは、ダニーの記憶を刺激した。そこに写っていたのは、十年前に出会った初恋の少女だったのだ。彼女は今どうしているのだろう? ダニーは彼女の消息を追ってみようと思い立つ。青年の物語と交互に語られていくのは、ある悪女の物語。サスペンスの魔術師、バリンジャーの代表作がついに登場。
*第3位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/作家部門
書かれたのが1950年だが、これは現在でいうストーカーの話。しかもおそろしく行動力のある男ダニーが、たまたま見つけた新聞の切り抜きを手がかりに捜索する。この小説のその後、話自体が終わったあとの展開が気になるという余韻を残している作品である。
2009年10月27日
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おやつ泥棒: モンタルバーノ警部 (ハルキ文庫 カ 2-2)
- アンドレア・カミッレーリ
- 角川春樹事務所 / 2000年7月1日発売
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シチリアのヴィガータ分署警部・モンタルバーノが活躍するシリーズ。
エレベーターで刺殺死体が見つかった。捜査にあたったモンタルバーノ警部は、カリーマという謎の女性にいきあたる。だが、女性は行方不明で、その子どもの行方も知れない。事件の奥に深い闇を予感する警部。そんな折、町には、おやつを盗む奇妙な泥棒が出没するようになる…。息をもつかせぬ展開のなかに、警部とあどけない子どもとの切ない愛情を描き出し、イタリアでベストセラーとなったミステリーが文庫オリジナルで登場。(BOOKデータベース)
2009年10月27日
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象と耳鳴り: 推理小説 (祥伝社文庫 お 13-3)
- 恩田陸
- 祥伝社 / 2003年1月21日発売
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恩田陸の安楽椅子探偵物短編集。給水塔に潜む鬼の正体とは、地検捜査官の元に毎年送られてくる絵葉書の意味は、などを鮮やかな手さばきで解決する幻惑推理小説。
安楽椅子探偵。現場にいずして状況を聞くだけで推理を構築し真相を看破する。その魅惑的な存在の裏にはちょっとした欠点があって・・・。つまり、ただの想像。下手すると妄想、こじつけ、屁理屈で終わってしまうということがあります。その推理に納得できるかどうかは読み手の感性にゆだねられるわけではありますが、「ありえない」「ただの偶然だ」などと感じさせてしまうとそこから推理が崩壊してしまうという難しさを持っています。
さて、恩田陸の「象と耳鳴り」。12の短編からなっているわけですが、良かったのは「ニューメキシコの月」以降の作品。特に「廃園」に描かれる薔薇園は幻想的な情景が、幻惑させるような小説。ニューメキシコの月、待合室の冒険、机上の論理、往復書簡も良いです。
2009年10月27日
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Xの悲劇 (創元推理文庫) (創元推理文庫 104-1)
- エラリー・クイーン
- 東京創元社 / 1960年2月7日発売
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ニューヨークの電車の中で起きた奇怪な殺人事件。おそるべきニコチン毒をぬったコルク玉という新手の凶器が使われたのだ。この密室犯罪の容疑者は大勢いるが、聾者の探偵、かつての名優ドルリー・レーンの捜査は、着々とあざやかに進められる。“読者よ、すべての手がかりは与えられた。犯人は誰か?”と有名な挑戦をする、本格中の本格。(アマゾンより)
え~、クイーンです。批判すると怒られそうな大御所、もはや古典。こんなことを言っとりますが、クイーンは好きです。食指はあまり向かないんですが、読んでみると素晴らしいという。私の中ではそんな作家です。様式美なんですね、本格推理の。いいねぇ。
探偵はドルリー・レーン。この探偵がやたらもったいぶる。がそれにはある理由がしっかりとあって、読み手は事件を捜査しているサム警部の視点で同じようにドルリー・レーンという探偵に熱くなることができるんです。ホームズの場合もそうですが、相棒の視点を通じて探偵の人物像を感じることができる、というのが良いです。
2009年10月27日
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樽 (創元推理文庫 106-1)
- F.W.クロフツ
- 東京創元社 / 1988年1月1日発売
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ロンドンの波止場に到着した1つの樽。その中から、金貨と人の手が現れた。樽をめぐりパリ、ロンドンの探偵たちが精力的に活動する。
アリバイ崩しの原点言われる作品。地味といえば地味な作品。主に捜査する探偵たちの行動が地道だというのがあるからかもしれない。しかしアリバイ崩すだけで終わっているわけではない。物語としてそれだけおもしろいということ。
2009年10月27日
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もつれっぱなし (講談社文庫)
- 井上夢人
- 講談社 / 2006年4月14日発売
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「…あたしね」「うん」「宇宙人みつけたの」「…」。男女の会話だけで構成される6篇の連作編篇集。宇宙人、四十四年後、呪い、狼男、幽霊、嘘。厄介な話を証明しようとするものの、ことごとく男女の会話はもつれにもつれ―。エンタテインメントの新境地を拓きつづけた著者の、圧倒的小説世界の到達点。[Bookdbより]
地の文がまったくない、登場人物の会話だけで物語が進んでいく小説。このタイプの小説は、黒崎緑のしゃべくり探偵が有名ですが、これはひたすら男女の会話で進んでいきます。かなり手軽に読める1冊。
しかしあまりにも手軽に、あっという間に読めてしまうのでいささかあっさりすぎる感触でした。
2009年10月27日
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殺しも鯖もMで始まる (講談社ノベルス アY- 3)
- 浅暮三文
- 講談社 / 2002年12月1日発売
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そのシュールな世界観で、非常に新鮮な風味の「ダブ(エ)ストン街道」を書いた著者初の密室本。掘られた形跡がまったくない地中の空洞で奇術師が餓死した。ダイイングメッセージに「サバ」という2文字を書き残して・・・。そして容疑者たちが雪の山荘に閉じ込められた夜、第二の殺人がまたも密室で起こる。そしてジャック・ロビンソンとはいったい・・・。
まず本の装飾がいいです。ジャケ買いしちゃった人もいるのではないでしょうか。本編はと言いますと・・・バカミスです。この一言に尽きます。ユーモア小説+本格風味といった感じ。本格を期待して読むと壁に投げつけることになるかもしれません(笑)
2009年10月27日
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浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話 (カッパ・ノベルス)
- 鯨統一郎
- 光文社 / 2007年5月19日発売
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浦島太郎、一寸法師、桃太郎といった日本昔話の真相を解明すると、殺人事件の謎が解き明かされる。前作「九つの殺人メルヘン」に続く御伽噺ミステリー。
御伽噺の謎を解いていくと、自然と事件が解決してしまった。事件の鍵は御伽噺の中にあった、という趣向の短編集。いろいろな昔話の解釈がありますが、表題にもなっている浦島太郎と花咲爺の解釈は読みごたえがありました。それよりもなによりも、凄いのは主人公たち「ヤクドシトリオ」の雑談。展開としては「雑談」→「そういえばこんな事件が~」→「御伽噺の解釈+解決」というパターンなのですが、この「雑談」が1編の半分くらいを占めており、その話題の豊富なこと。昔(70年代くらい?)のアイドル、漫画、映画、テレビ、音楽、プロレス、相撲、野球と、まさに居酒屋でのオジサンたちの会話。うわ~まったくついていけんという人と、思わずニンマリしてしまう人とに分かれそうです。ちなみに私はさっぱりほとんどわかりませんでした。むわー。
2009年10月27日
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二枚舌は極楽へ行く (FUTABA NOVELS)
- 蒼井上鷹
- 双葉社 / 2006年10月1日発売
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妻を事故で亡くした夫が、事故前夜一緒だった友人達の一人に妻の死の原因があると独り合点。謎の飲み物を飲ませて自白を強要する『野菜ジュースにソースを二滴』など、蒼井流コージー・ミステリー12編。
同じワールドのどこかでつながっていてつながっていないような短編集。このマエダは前の話で出てきたマエダか?などという奇妙なパラレル感がまたおもしろい。蒼井上鷹は長編も読みましたが、短編のほうが切れ味があって面白い気がしますね。
2009年10月27日
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いつか、ふたりは二匹 (ミステリーランド)
- 西澤保彦
- 講談社 / 2004年4月28日発売
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猫の身体に乗り移れる能力を持った6年生の智己は、町内で発生した女子児童襲撃事件を猫になって調べることにした。昨年の誘拐未遂事件と同一犯というのだが…。
ポール・ギャリコの「ジェニィ」へのオマージュともいえる作品。猫に乗り移り冒険する少年と最大の友となった犬のピーターとの心の通い合いを描いた素晴らしいファンタジーでした。心温まるハートフルストーリー。
2009年10月27日
某大学工学部で多発する傷害事件。化学工学科秘書のスージィの周辺でも不審な出来事が連続し、それは遂に殺人事件にまで発展してしまう。マッドサイエンティスト・ホリや図書館司書ルナ、ヘビースモーカ・イエダ教授など合計6人の視点から謎に迫る詩的ミステリ。
様々な視点から語られているミステリは登場人物の個性が浮き彫りになるので、感情移入しやすく私はなかなか好きな手法です。しかし物語の途中に挟まれるポエティカリなものが多くて、森ポエムがそれほどでもない人にはツライかも。結構遊び入ってる小説です。コジマさんのイラストはやっぱりいい味です。
2009年10月27日