ファイナンス理論を分かりやすく論理的に束ねて、いかに投資がペイしないかを語る本。この著書の中では理論は完結しているので、非常に説得力はある。まあこれ一本で投資を理解出来るわけはないけれど、これ以上懐疑的に精読しても意味無いかな。
結論は「投資は泡銭で行うべし」ということ。そりゃそうだと思う。

2011年11月9日

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読書状況 読み終わった [2011年11月9日]

今回は宝島社「田口・白鳥」シリーズの活劇ミステリー版ですね。このシリーズは毎回交互にポジ/ネガと抑揚をつけて書かれてます。前回のシリアスな展開が上手くフォローアップされて一本調子にならないところはもはやツボを心得ている感じ。
しかし少しライトノベル化してきたかな。なにやら司法と医療の対立構造が単純に敵味方っぽく見えてきて、京極堂の「塗仏」のような突然の幼稚化に陥りそうでとても心配。ちなみに相変わらずトリックは本格とはほど遠く、白鳥の推理や喝破全てが可能性の域を出ない。しらを切れるレベルの綻びで勝手に自滅しているんだな。それほどのカタルシスはありません。
つまり白鳥は決して阿部ちゃんやトオルちゃんじゃなく、キャイ〜ンの天野君だと心の底から思う。

2011年10月24日

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読書状況 読み終わった [2011年10月24日]

大好きだった星新一のショートショート。中学生時代の通信教育で国語教材だったのが初期の傑作「おーいでてこーい」これが僕の最初の星新一であり、新潮文庫への入口でもあった。読み易く短い文に凝縮された様式が如何に長編と対等に扱われるか。この命題が彼の仕事にはついてまわっていた。その本人を綴るノンフィクション。端正な構成でしみじみと読まされる大揺れの人生ではあるが、巷でよく聞くユニークな人物像からはかけ離れたストイック過ぎる生き様だ。
後期の作品が失速する様も客観的に淡々と描かれる。あらゆるものにセンシティブな若い時期から、そのピークを過ぎてしまう時期との折り合いは、作者にも読者にもツライものです。

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読書状況 読み終わった [2007年10月]

江口寿史のカバーがあまりに秀逸のため読む。が意外と骨太の主張本。
刑法が誰に向けて書かれているか?裁判官が判決するためだけの指針。今の日本国憲法は死んでいるそうな。

読書状況 読み終わった [2007年9月]

高度な真理追求の場所、そこにあるのはあまり簡潔とはいえない人間模様。本論ではない野口英世のダメさ加減など酷いもの。
この本自体何と言うか曲がっている。イントロで本人の長年の仮説が外れていることを吐露してなおかつこの本の骨格としているという。学者もしぶといものです。
(完読できていない為評価保留)

読書状況 読み終わった [2007年7月]

あまり報われることのない漫画家という職業の実態を描いてます。
昔もこれからも漫画家は一攫千金的な世界で生き延びなければならないようです。何しろネットを覗けば、ある程度の作品を描けそうな人材だらけ。漫画家になるだけならもう相当ハードルは下がっているのでしょう。

読書状況 読み終わった [2007年月]

ガラスの仮面の最終回を予想してますが、これが流石に良く練られていて相当な説得力があります。作家ご本人もこの予想ラストを読んだところ、「これより良ければいいんでしょ?」と言ったとか。

読書状況 読み終わった [2007年月]

(どうにもタイトルが・・・ですが)。
高城剛や立川直樹とか僕とはツクリの違う方々の、溌剌と濃ゆい生き様にはなんだかんだ言って憧れます。しかもこの手のヒトは早寝早起き。きっと早起きな生き方にはナニかある。
この本はある面自我自賛本だけど流石に筋良く押さえてますよね。革新的な予測って程ではないけれど。
「ハイブリッドスタイル」ってのが日本人特有の優れた才能か資質かはともかく、我々のパーソナルアーカイブ化が流行るというのは当たりだな。きっと楽しいだろうしね、このまま齢取っていっても。豊かな時代に生きている実感はあるのです。

(追記)このレビュー書いた時は勿論エリカ様ネタも原発事故もなかったのでした。既に隔世の感がありますね。

読書状況 読み終わった [2006年7月]

相変わらずアトラクティヴな導入から意外なオカルト落ち。ラストは賛否分かれてますが、これが無いと謎の真相自体は凡庸ですからね。必要だったと思います。
描写が会話のみで実験的なんですが、それ故非常に楽しめる作品。先ずはアイディアありきのタイプ。こういうのが書ける才能って先天性だよなぁとしみじみ思ってしまう。上手です。

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読書状況 読み終わった [2007年4月]

これがデビュー作でしたっけ。既に巧さが作品の中に溢れてますが、シナリオの整合性はイマイチ無理があるかな。やや甘く消化不良気味。でも作家としての引力は既に十分に備えております。

読書状況 読み終わった [2006年7月]

わざわざ言葉で落ちを語らなくともわかるでしょこれで。とミステリー作家が作品を重ねるときっと一度は作りたい様式なんだと思う。真相を曖昧にしつつ、真相を十分に表現している。凝った作りの装丁も含めて佳作です。

読書状況 読み終わった [2006年6月]

「このミス」のベスト1?ランキングも変わったものでミステリーというよりグロテスクホラー。暗鬱な中に確かに次元の違う魅力があることは各々の短編に張られた圧倒的な筆力で分かります。
相当に読む人を選ぶはずなのですが、市井の評価は大絶賛一色のようで、これはもうそういう時代なのだということにやや嘆息します。

読書状況 読み終わった [2007年7月]

推敲を重ねたらしき無駄無く練られた文章に感嘆しつつ一気に読める。ノンフィクションとフィクションの中間なのかな?題材が地味な割に恋愛も活劇も程よく消化され、実際にエンターテイメントとして面白く仕上がっている。
何か清廉で品質も位も高い小説といった趣で、東北大卒の作家というのが殊の外説得力がある、と思うのだったが、その後他の作品を読んで私のこの評価は変わっていく。

2007年7月28日

読書状況 読み終わった [2007年7月28日]

曇り空の日曜にベランダで一気読み。洗濯物に囲まれてのんびりと。
映画化の瑛太がイメージに良く合う。語り部自身がストーリーに全く関わらないけれど、「陽気なギャング」の登場人物に縁のある描写がサービス的にあり。淡々とした展開が逆に印象深い。この空気感がミステリーの分野では上質なタッチで、筆者の最高傑作と言われる所以でしょう。エンターテイメント性との絶妙なバランス。

2007年7月22日

読書状況 読み終わった [2007年7月22日]

読書状況 読み終わった [2007年6月]

読書状況 読み終わった [2007年6月]

少年のモノローグが適度にさらりとしていて、あまりの読みやすさとわかりやすさに感動。それもライトノベルな平易さとは違うことが分かります。近頃の良い漫画と良い小説って読中に受ける風合いが似ているなぁと感じているのですが、これは上質な漫画に近い感覚かな。
ラストの描写はグッと来ます。

読書状況 読み終わった [2007年6月]

前三連作から舞台と語り部が代わり、質はより重厚に。上等なミステリー、この作家の世界観が本格化する秀作です。
人物の相関性や謎のほどけ方も上手く、読後は結構に感服しました。AIにこだわり過ぎの感があるものの、これだけの作品がこれだけの短期間で書けるんなら専業作家になっても良いんじゃないでしょうか。

2007年7月16日

読書状況 読み終わった [2007年7月16日]

もはやミステリーじゃなくエンターテイメント小説ですが今回は気になりません。十二分に面白いので。ささやかな謎や仕掛けも有りますが、人物が非常に魅力的に描けていて、随分と作品に安定感が出てきたなぁと。
装丁の連続性がこのあたりから効いてきます。編集側では早くから連作を決めていたことが分かりますが、作者の力量を見極めていたんでしょうね。

2007年7月8日

読書状況 読み終わった [2007年7月8日]

連作を意識したであろうキャラクターを増やしたのはまぁ良いとして、その煽りで前作で魅力のキャラの毒が消えちゃっているけれど?勿体無いなぁ。トリックと意外性は更に無くなっててミステリーの肝心も抜けてますよ?犯人も動機も普通に解るというか「謎」になってない展開で、これもしかしてもうミステリーでは無いんじゃないだろうか。

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読書状況 読み終わった [2006年10月]

突然にウチのオヤジが大動脈瘤の大手術をすることになりました。何かしら思うところも感じつつ、実家に帰省し病院に見舞う日々の空き時間に読んでいた本がコレ。良く考えると不謹慎。
コンビニに置かれるだけあって、かなりキャラクタ依存の展開でマンガ並みに分かり易い。特に医療前線の描写と心理学のテキスト構造は秀逸で読み手を引っ張ります。面白いですマンガの「医龍」並みに。だけど、最初っから怪しい人物が犯人だったり、動機もありがち。「意外性の低いミステリー」ってのはどうなんだろう?いいのかな「このミス」大賞なんだけど。面白いからいいのか。

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読書状況 読み終わった [2006年月]
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何故に登場する関係者達は命を張って、筆者に情報を渡し協力するのだろうか。それほどの人間関係や義理、金銭が絡むような記述もなく、まずここから理解できないため読んでいて何度も引っかかる。
犯人が犯行現場からメールを送ったそうだけど、サーバのデータまで消せる訳はないでしょう?とか、犯行場面が何故か臨場感のある描写でいつの間にかフィクションに。
恐らく一部真実な小ネタを基に、相当部分を想像で繋いだお騒がせ本かと(で済むもんなのかな?)。

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読書状況 読み終わった [2006年月]

バイブルです。「これは恋ではない」「小西康陽」「幻冬舎」「コンテムポラリーの表紙」「森本美由紀のイラスト」「ミルクティーのための音楽」。好きだったマガジンハウスのトラベル雑誌「ガリバー」でのコラムは載っていない。
音楽家で文筆家で類い稀なセンスの持ち主の宝石箱のような作品です。本当に素晴しい。

読書状況 読み終わった [1997年5月]

表紙デザインのアイキャッチは100点です。これで結構買う人多いでしょう。
でもやっぱりこの文体ダメかも。描かれる女性も、ある種の男性には理想像の「天然不思議ちゃん」。この作者、モテないだろうなぁ間違いなく。面白いっちゃ面白いし、上手いっちゃ上手い。この古風さも新鮮と言えば・・・でもなぁ、なんか大学研究室産の妄想世界という感じで、自分を含めてその筋の人間には気恥ずかしい。
ただこの力量にして作者の若さには驚愕。才能アリなのは間違いない。

読書状況 読み終わった [2007年6月]
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