墓場鬼太郎 (2) 貸本まんが復刻版 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2006年9月22日発売)
3.62
  • (20)
  • (15)
  • (51)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 266
感想 : 16

ついに手を出してしまった水木作品。2006年刊行、ただ初出年は不明(貸本時代作品で、フルシチョフや池田勇人の登場より1960年代前半か)。S30年代の長屋(汲取りトイレと風呂なし)、森林やジメジメした湿気が独特の臭気を醸し出す。普通の少年鬼太郎にヒーロー然とした所作は皆無。ねずみ男はやっぱりねずみ男で実に小市民的。「科学が進むにつれてお化けの信用もがた落ち」という台詞に加え、ビート族を自称するスリの小悪党ぶりと併せみれば、水木らしいシニカルさに充ちた作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2017年1月22日
読了日 : 2017年1月22日
本棚登録日 : 2017年1月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする