現代の家族関係の言説の正当性について、歴史的過程を踏まえつつ再考を迫る。つまり「昔はよかった」の如き単純思考を、過去の男女差別の常態、家長制、絶対的レベルでの貧困問題等の諸事情を無視するものとして、著者は排斥し、その上で、しつけ・子育ての最終責任を家族だけに押し付ける結果に陥っているのが現在と指摘。◆至極納得の内容だが、動機不分明な少年事件(一般刑事事件にも妥当)が、戦前戦後期、現代と同程度に存在したかは、やや不明瞭。この解決策の提示が学校・家庭・社会に求められている中、もう少し深めたい。◆1999年刊。著者は東京大学大学院教育学研究科助教授。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月13日
- 読了日 : 2017年1月13日
- 本棚登録日 : 2017年1月13日
みんなの感想をみる