照葉樹林文化: 日本文化の深層 (中公新書 201)

制作 : 上山春平 
  • 中央公論新社 (1969年10月1日発売)
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本棚登録 : 148
感想 : 10

1969年刊行。著者は京都大学人文科学研究所教授。◆日本文化の基底の一をなす縄文文化。その成立に当時の生態系が大きく関わってくるという点は現代でも異論はないだろう。本書は、環境考古学的に意義深い縄文期の生態系を照葉樹林文化と規定し、固有の専門家との鼎談形式で叙述していく(シンポジウムの議論が元ネタ)。他の照葉樹林地帯との文化的比較をするのも、らしい感じである。◇ドングリ利用は著名なため、個人的には、余り遺物の残らないイモ食文化が日本の縄文期において如何なる影響を持っていたかが気にかかるところ。
◇勿論、遺跡・遺物等、刊行時の古さは否めないが、議論の出発点という意味でも、また、前提情報としても、日本の先文字時代の文化的基底(今風な神道とは少し違う日本の固層の信仰を含む)を知る上で、一読にしくはないと思える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年1月9日
読了日 : 2017年1月9日
本棚登録日 : 2017年1月9日

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