ネタバレ 無関係な複数の人物を輻輳させながら、庶民派主婦キャスターに迫る二つの危機。それはパンデミックの危険を胚胎するペスト禍と狂気に彩られた男。リスの死骸を日本国内に入れる冒頭展開と、複数の人物が収斂していく様はやや強引と思わなくはないし、オチも呆気なかったが、監禁された女性に危機が迫っていく模様に関しては、ペスト感染の具体的模様と監禁男の異様な愛情表現とがあいまって、ぞくぞくさせられた。この真綿で締め付けるような中盤は著者の長所が良く出て、読みごたえがある。サスペンスというより、ライトなスプラッタホラーの趣き。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年1月23日
- 読了日 : 2017年1月23日
- 本棚登録日 : 2017年1月23日
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