2012年刊。
内閣官房参与として福島原子力発電所事故の対策、政策転換に関与した。
一方、従前、某企業の原子力事業部で青森六ヶ所村核燃料サイクル施設安全審査PTに関与し、原発推進派に与していたと自認している。
一読して内容に特記すべきことはない。事故対処の内幕開示を期待したが、それも全くない。
唯一指摘すべきは、従前推進派だった者(過去形かは迷うが)ですら、核燃料処分の方法がないこと、処分費用を原発コストに勘定せず、原発安価を強調してきた事実を開陳したことくらい。
加え、核燃料処分コストには、社会的費用コストが加算される点。そもそも社会的費用コストとは、例えば風評被害の除去対策費などがあたる。
また、原発ではなく、処分地にも立地対策コストが必要なのは当然で、これも核燃料処分・サイクルコストに加算されることも了知しておくべき点か。
本筋とは違うし、感情的に述べるべきでないのだろうが、著者自身が原発の推進に関与しておきながら、掌返しの如く、余りに他人事のような叙述にはかなり呆れた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自叙伝
- 感想投稿日 : 2017年1月3日
- 読了日 : 2017年1月3日
- 本棚登録日 : 2017年1月3日
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