2009年刊行。戦時中、政府批判記事を書き竹槍事件と称される筆禍事件を引き起こした毎日新聞記者たる著者が、井上成美氏との間でなしたインタビュー、その他1970年頃に雑誌に連載した記事とをまとめ刊行したもの。海軍戦史に関しては新奇な所はなく、政治史的にも本書にある海軍善玉・陸軍悪玉論は、現在の見方からすれば、やや単純にすぎ、些か古い感を持った(もっとも記事の書かれた時期からすればむべなるかな)。ただ、井上元海軍大将へのインタビューと竹槍事件の項目は、裏話も含まれる等、歴史の一面を切り取ったものと評したい。
ただ、新名氏の著作権継承者を確認することなしに(戸籍の取寄せくらいは可能であろう)刊行したのは、行き過ぎの感。むしろ、別の著者に新名氏の足跡をレポートさせるという方法論は取れなかったのか。
読書状況:読み終わった
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ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月19日
- 読了日 : 2017年1月19日
- 本棚登録日 : 2017年1月19日
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