著者初の中短編集。
9・11後のN.Y.を舞台にしたオフビートな表題作、サスペンスフルな「ヒッチハイク」、レイプ殺人を繰り返すカップルを淡々と描いた鬼畜作「雑草」、それに異色なマカロニ・ウェスタン「川を渡って」の4作品。
3作品目まではケッチャムらしいというか、乾いた文面で気が滅入るような描写や展開が続き、さほどカタルシスも感じられぬ結末なのだが、そんな中、ラストの「川を渡って」はかなり趣が異なる。メキシコ戦争終結後という舞台設定もこの人の作品としては異色だけれど、とにかく何かケッチャムぽくないというか、内容は凄惨なものもあるのだけれど、何かしら温もりがあるというか……何となくランズデール作品に通じるような味わいも感じられた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ホラー/怪奇幻想
- 感想投稿日 : 2010年3月5日
- 読了日 : 2009年11月21日
- 本棚登録日 : 2009年11月21日
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