結婚差別の社会学

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著者 : 齋藤直子
riocamposさん  未設定  読み終わった 

ご主人の岸政彦さんのツイートをみて読み始めた。齋藤直子さんの専門分野も知らなかったので、タイトルだけでは、部落差別に伴う結婚差別が主題だとは分からなかった。
筆者は私とほぼ同年代であるため、(出身地が同じく大阪ならば)同和教育も同じように受けてきたのではないかと推察する。しかし現在は部落問題が人権問題の一部として実質的に縮小していると知ったのは驚きだった。
さて。部落問題に伴う結婚差別とは、部落外出身側および縁者(両親)が当事者の結婚を阻害しようとする差別である。解決法として有力なのは、当事者の人柄や熱意のようだが、それが常に有効であるとは限らない。忌避心理は根深いので、結局は破局に至ることもある。
更に言えば部落外出身側に潜在する差別意識のせいで、結婚後に破局することもある。特に「部落出身だ」とうちあけた際に相手が「関係ない」と答えることが、「部落出身であることも含めて私を受け入れてほしい」という気持ちとの齟齬を生じさせること、そして「関係ない」=部落への無関心や忌避から出た言葉、だという場合には、当事者間に亀裂を生じさせてしまう、との指摘があった。
もしも私が当事者だったときにうちあけられたならば、やはりまず「(部落出身であっても)関係ない」と答えてしまうと思った。そしてそれは更に言えば「(これからは部落とは関係ない生活になるのだから)関係ない」という気持ちが奥に潜んでいたことに気付いた。
同和教育を受けていた時期から遠く離れ、また人権問題を考えることがあっても部落差別問題を考えることがほとんど無くなっていた私にとって、未だ消えていない部落差別を再度考え直す良い機会を与えてくれた本になった。

レビュー投稿日
2017年8月20日
読了日
2017年8月20日
本棚登録日
2017年8月20日
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