どういうわけかメチャクチャ売れているので試しに購入。
端的にまとめると「劣等生(Fランク)の主人公くんが、美少女でAランクの王女様と共に騎士の高みを目指す学園モノ」。
読んでみると「最近流行のラノベがいろいろ混ざっている」のが丸わかりなんですけど、特に大きな破綻もなくそれなりにまとまっているのが好印象。
ただ……どうなんだろうなぁ。システム・項目上「評価すべき項目から外れている」からFランクだけど実際にはチート級の能力を持っていて、世界ランカーにも勝てちゃう劣等生。
つまり「世間の評価は低いけど、実はオレTUEEんだぜ」的なのは、いろいろな意味で難しいというか、なんか萎えてしまうのは僕自身が40近いおっさんだからですかねぇ。
主人公君自身、努力もしているし「制約」もある。性格も前向きで好感が持てるけど、結局の所「天才」であって決して「凡人」ではない。
特に「他人の技を盗んだ上で、オリジナルを上回る技を使うことができる」能力は、使い方を間違えれば「勝つべくして勝つのが丸わかりな八百長試合」になりやすいし、相当な理由がない限り「本筋」を曲げないだろうから誰でも容易に先が読めてしまう。主人公君たちが勝ってしまうのがわかってしまうので面白くない。
しかも敵役の少年も、これまた絵に描いたような「三下やられ役キャラ」なのに、そんな相手に対して「僕じゃ勝てないかも知れない」なんて言っちゃうあたり「ひょっとしてそれはギャグで言っているのか?(AA略)」と言いたくなってしまうんですけど、これいかに。
……なんだかマイナス発言が多くなってしまったけど「つまらなくはない」し、同種の「魔法科高校の劣等生」みたいな作品が好きだという人には受け入れられるかも。
ただ、次以降はもういいかな。よほどうまくやらない限り面白くするのは難しそう。「チート主人公」って言うのは、それだけで「バランスブレイカー」だから、よほどうまくストーリーを組み上げないと難しいと思うし。
ともあれ、気になったら一度読んでみてください。「編集部オススメ」とのことらしいので。
- 感想投稿日 : 2013年7月29日
- 読了日 : 2013年8月8日
- 本棚登録日 : 2013年8月8日
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